大井川通信

大井川あたりの事ども

安田記念を観る

競馬の春のシーズンが続いているので、毎週のG1レースを楽しみにしている。とはいえ、お金をかけるわけではないから、あまり知らない馬ばかりだと、そこまで没入はできない。お金という大切なものをその馬に賭けることによって、その馬を自分の分身化するのが競馬の妙味だと、寺山修司なら言うかもしれない。適当だが。

だから、3歳馬の頂点を決める競馬のお祭りダービーは、思い入れのない馬たちばかりが出走するから、今一つのりきれない。牡馬も、牝馬もクラシックといわれるレースはどれもそうだ。

しかし、今回の安田記念は、18頭中、10頭がG1馬というから、僕もこの二年間見続けてきた馬が何頭もいる。

僕が初めてリアルタイムで中継をみた2021年のマイルチャンピオンシップで、グランアレグリアの2着に迫ったシュネルマイスター。強いと言われた世代の一角だが、エフフォーリアほどではないにしても、古馬になってからは、今一つ調子がでない。しかし前回のレースでは復活を果たし、G1二勝めをねらう。

そのエフフォーリアがまさかの失速をした2022年の大阪杯で、ライバルと目された新星がジャックドールだ。ジャックのレースもこの一年見てきたが、今はようやく上り調子。何より、明るい色の毛並みに白いブーツをはいたような馬体が美しい。

白毛のアイドルホースのソダシも、足掛け三年、浮き沈みを見てきた馬だ。特に先頭でターフを駆ける姿は、神々しいばかり。

などなど、スターぞろいのマイル勝負を息をのんで見守ったが、牝馬ソングラインの連覇となる。馬券を買わない僕は、無意識にシュネルマイスターを応援しているのに気付いたが、結果は3着だった。