大井川通信

大井川あたりの事ども

ハトマメ屋詣で

僕は食に関しては貧しい経験と乏しい味覚しかもっていないことは、今までも書いてきた。しかしガサツな食欲だけはあって、息子からも「食べ放題で食べすぎる(その結果お腹をこわす)」と揶揄される始末だ。

だから、食べたいものといったら、回転ずしとか餃子の王将とかサイゼリアとかの安価なチェーン店ばかりで、こだわりがあるにしても、スタミナ丼とか駅ホームの立ち食いソバなどのB級グルメをごくわずかの数知っているに過ぎない。

当然、お菓子やデザートについても、知識もこだわりも不足している。思いつくのは、ローカルな山田饅頭と、メジャーな赤福くらいだ。洋菓子は、コンビニでもどこでも同じくらい美味しいから、なんでもかまわない。

そんななかで、朝倉にある老舗「ハトマメ屋」だけは、思わず行きたくなる心躍るお菓子屋さんだ。創業明治18年という歴史が感じられる、主力のマメ菓子類が美味しいし、三角のコブクロに包んでおみくじが入っていたりする工夫も楽しい。お店のキャラクターの「ぽ太郎」などが描かれた包装紙や袋もレトロな雰囲気だ。

何より、シュークリームやチーズケーキも販売しているにぎやかな店内の雰囲気が楽しい。実際にどのお菓子も美味しい。コロナ禍前は、お茶を飲んだり試食したりするスペースもあった。

はじめに知ったのは、社員旅行で立ち寄ったのか、友人に教えてもらったのかは記憶も定かではない。自宅からは2時間近くかかるが、出張や家族のドライブの途中で立ち寄ることも多かった。

今回も灼熱の日差しのなか、ハトマメ屋に行こうというと自然と家族の気持ちが一致して、久しぶりに詣でた次第。やはり楽しかった。