大井川通信

大井川あたりの事ども

古事記を読む(上巻)

読書会で古事記の現代語訳を読んでいる。上巻を2回で読み終わった。せっかく読んだばかりなので、まずそのストーリ-の要所を自己流にメモしておこう。

天に神様が生まれる。彼らは、イザナギイザナミの男女の神を地に送り出して、国を作らせる。イザナミが死んだあと、死者の国(黄泉の国)までイザナギが追いかけて大立ち回りしたのは有名な話。

自分の国にようやく戻ったイザナギが、汚れのお祓いをする儀式で(理解不能のメカニズムだが)生まれた三柱の神様に、それぞれ三つの国を治めさせる。女神のアマテラスは天の国(高天原)、ツクヨミは夜の国。海の国を命ぜらて面白くないスサノオは、高天原に上ってアマテラスと対決することに。ちなみにこの対決の儀式で宗像三女神が生まれたりもしている。

対決に勝ったスサノオが暴れると、アマテラスが天の岩屋戸に隠れて世界が夜ばかりになったのを、神々が策を講じて解決したのも超有名。

出雲に逃れたスサノオは、ヤマタノオロチをやっつけてそこに国を作り、スサノオの子孫にオオクニヌシが誕生する。オオクニヌシ因幡の白兎などの手助けを得てライバルの兄弟たちをしりぞけ、根の国スサノオと対面して試練を乗り越え、出雲の国づくりの後継者に指名される。

アマテラスは、出雲の繁栄を好まず、タケミカズチを送り込み、オオクニヌシの子どものタケミナカタを諏訪に追い落としたりもする。オオクニヌシ高天原に国を譲ることを決意したため、アマテラスはニニギを「天孫降臨」させるのだが、その時の案内役が我らがサルタヒコ猿田彦庚申塔は今でも日本中のあちこちの辻に残っている)だ。

ニニギは、オオヤマツミ(山の神)の娘コノハナサクヤヒメと結ばれて、生まれた兄弟の間で起きたのが、海幸山幸の物語。弟のホオリ(山幸彦)が兄のホデリ(海幸彦、隼人の祖先)と争って、海神を味方につけて兄を出し抜き、海神の娘トヨタマヒメと結ばれる。そこで生まれた子どもの子どもが、後の神武天皇となる。

 

神々がとにかくたくさんいるイメージ。初めは、細菌が増殖するかのようにあらゆるモノや機会をとらえて生み出されるが、やがて男女の婚姻が主要な誕生の契機となる。神々同士は、男女はひかれあう一方、はげしく反発もし合うし、兄弟同士は平気で殺し合う。鳥や動物、案山子までもが、自己主張して役割を担っている世界。天皇にも、海神(蛇)の血がまじっていることになる。

登場人物が雑多でカオスなら、場所の空間関係もかなりあいまいだ。天と地の関係もはっきりしないし、出雲と「中つ国」、死者の国である黄泉の国と根の国、海原との位置関係も明確ではない。

戦前の国家神道みたいな整理とは必ずしも結び付かない物語群の面白さ。まして、地元の神社を調べている自分には、必須の知識だと遅まきながら気づいた。