大井川通信

大井川あたりの事ども

カイツブリの秋の子育て(つづき)

ババウラ池の水はまたこころもち減っているようだ。しかし、一気に抜かれているわけではなさそうなのが救いではある。

夕方池をのぞくと、またしても意外なことが。親は一羽だけ。しかし小さな粒みたいに見えるヒナが、なんと二羽いるのだ。二羽とももう親の背には乗らずに、親の周囲を泳いでいる。

以前親の背で一羽を発見したとき、もしかしたら二羽乗っているのではないかという気がして、双眼鏡の眼をこらしたが、確証を得られなかった。見逃していたのかもしれない。

この池は、カエルや小魚などエサにはことかかない。まして水量が減っているから捕まえるのは容易だろう。親鳥は、僕がゆっくり5を数える間には、水中からエサをくわえて浮上して、ヒナに給餌している。とんでもなく早いペースだ。早く大きく育って、この池から脱出する体力をつけてほしいという、ひたむきな親の願いを感じてしまう。そんな感情移入は別にしても、様々な不安定な水環境の中で何千年、何万年と子育てを繰り返して命をつないできた経験が身に染みているのだろう。

ただ今のヒナの姿はあまりにも小さい。親並みの大きさに成長すれば、かなり小さな水面でも助走をして飛び立てることを、数年前に目撃した。あと一か月あれば、と思う。

  

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