大井川通信

大井川あたりの事ども

『写真で見る関東大震災』 小沢健志編 2003

今年は、関東大震災からちょうど100年だ。たしか、関東大震災をテーマにした文庫本をもっていたなと思い出してあちこちの書棚を探すと、ようやくこの本が出てきた。20年前のちくま文庫だから、忘れかけていても無理はない。我ながらまだまだ記憶力は大丈夫だとうれしくなった。

関東大震災80年を区切りとして出版されたことが書いてある。このところ20年以上寝かせておいた積読本を手に取ることが多いが、今から20年だと80歳を過ぎる。命があっても集中して本など読めるだろうか。もう後回しばかりはしていられない。今読めるものを厳選して即刻手にとらないと。

文庫本だから写真は小さいし、昨年被災後の生々しい動画(西本願寺が作成して映写したもの)を見たので、そこまでインパクトはなかった。ただ、この被災現場を、祖母がお腹に父親がいる身重の状態で逃げ惑ったというエピソードを知っているため、他人事ではない。

正午前の地震の難を逃れて被服廠跡に避難した人々の姿の写真もあるが、午後4時過ぎに発生した火災によって4万人がその場所で亡くなったという。伊東忠太設計の震災記念堂(現東京慰霊堂)を見たのは、もう15年以上前だったろうか。

今年度は、僕の父親が生まれて100年目にあたる。来年の3月18日の誕生日には姉と生誕100年のイベントをしようと約束しているが、もうすでに100年前の今の時期には、父親の命は始まっていたのだ。

これからは100年前の現在を意識しつつ、父親の生涯をたどりなおすような気持ちで生活してみようとも考えている。

 

ooigawa1212.hatenablog.com