大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(死仮面)

ギャラリーのような白い壁面に囲まれた部屋で、僕は死んだ人の顔の皮をていねいに壁に並べてはりつけていく。こう書くとひどくグロテスクのようだが、実際に顔の皮というのは、白いビニールみたいな材質で、眼鼻口の部分に穴が開いた個性のないもので、少しも本物らしくはない。

ただ、夢の中ではそれを本物として扱って、端からせっせと張り付けていくのだ。これは災害の被害者のもので、遺族が見に来た場合に探しやすくするために、ボランティアとして作業にかかわっているみたいだった。

部屋にお偉方のような人(あるいは評論家かマスコミ関係者か)が入ってくると、顔を背けながら、あれこれ言葉だけはかける。僕は、内心、だからこういうやつらはダメなんだと思いながら、これ見よがしに作業の手を速めた。