大井川通信

大井川あたりの事ども

アゲハの羽化

朝出勤する時、駐車場の裏のブロック塀に、見たこともないような美しい大きな蝶が止まっているのに気づいた。透明にかがやく羽に、艶やかな帯の彩りがある。印象は新鮮なのだが、デザイン的には見たことがあると思っていたら、普通のアゲハ蝶(あとで図鑑で確認すると、正確にはキアゲハ)だった。

ブロック塀の少し下には、小ぶりのセミの抜け殻みたいなものがついているが、それがこの蝶のサナギで、おそらく昨晩に羽化したアゲハは、ここで十分に身体が固まるのを待っていたのだろう。

羽化したてのセミは純白で神秘的に美しいが、アゲハもまだ変色の過程にあって、だから印象がまるで違って見えたのだと思う。まだ一度も使っていない羽。生まれたての生命は美しい。

我が家の駐車スペースは北側にあって、裏の家との段差もあるから、少し湿っぽい。だから、たまに珍しい虫や生き物に出会うことがある。引っ越ししたてで、周囲の自然も今より多かったときは、ヤママユガみたいな巨大が蛾が訪れて、妻をびっくりさせたりした。大きなアオダイショウが這っていたこともある。

近ごろでも、不可解なデザインのイシガケチョウの姿を見ることができた。駐車場には、里山に鎮座するヒラトモ様を勧請したばかりだ。いろいろな生き物の参拝があれば、ヒラトモ様も喜ぶだろう。