大井川通信

大井川あたりの事ども

新年の抱負

数年前、地域の自治会長を引き受けてしまったときのことだ。自治会長は毎月、役員さんたちと各組の組長さんたちを集めて、公民館で会議を開く。その前年、組長としてその会議に参加して、一言の発言の機会もなく、役員さんたちのだらだらと続く議論を聞くのがけっこう苦痛だったので、二つのことを心掛けるようにした。

一つは、会議の終了時刻を、あらかじめ短時間に決めて宣言しておくこと。30分とか1時間というふうに。もう一つは、毎回全員に口を開いてもらうこと。会議のはじめに、「最近うれしかったこと」などのお題で順番に気楽に話してもらうようにしたのだ。自分の仕事や趣味のことや、家族の事。それぞれの人となりがわかって、すいぶんなごやかな雰囲気になったと思う。

いろんな立場や年齢の人が参加していたと思うが、発言を嫌がったり、遠慮したりする感じはまったくなかった。その時に、誰もが、話したい、聞いてもらいことをもっているのだな、と実感できた。

仕事の最終日。職場の今年最後のミーティングで、僕は、しめくくりに職場の全員の人に、来年の抱負を順番でスピーチしてもらった。普通なら、長と呼ばれる人の堅苦しいあいさつで終わってしまいがちのところだ。思いがけない発言が飛び出したりして、みんなの間で暗黙のコミュニケーションが交わされていたことだろう。