大井川通信

大井川あたりの事ども

日傘くるくる

日傘を始めて買ったのは、数年前の真夏の東京旅行だった。自分にとっての「聖地」を訪問したのだが、殺人的な暑さでコンビニで日傘に手を出した。しかし、その後も日常的に日傘を使うことはなかった。

今のJR通勤では、朝は正面から朝日を浴びて駅まで歩くし、帰宅時には反対に夕日に向かうことになる。もともと肌は強くないし、熱中症への抵抗力もだいぶ落ちている。それで、今年から、毎日日傘を使うことにした。

これが快適。直射日光を避けるだけではなく、小さな日陰に守られて歩いているようで、傘の下には気持ちのいい風が吹いている。いざ使ってみると、世の男たちが、太陽光線にじりじりと焼かれて歩いているのが気の毒になってくる。

ジェンダーバイアスというのだろうか、僕も今まで日傘をさすことにかなりの抵抗感があった。しかし、雨から身を守ることと、熱線から身を守ることと機能的には何も変わらないし、その大きな効用は片手がふさがるくらいの不便さとは比較にならない。初めて買った日傘には刺繡のデザインがあって少し気おくれしたが、二代目は武骨なタイプで気にならない。

雨傘と兼用の携帯日傘だから、突然の天気の急変にも対応することができる。とにかくこれ一本を持っていれば、天気予報の情報に神経質になる必要がないのだ。

まさにいいことづくめで、日傘くるくる回して歩いてます。