大井川通信

大井川あたりの事ども

台風で電車がとまる

台風の接近が少し遅れたものの、陸地からは離れた海洋上を抜けていくところなので、たまに強めの風が感じられるくらいで影響はほとんどない。何の疑問もなく家を出て駅に向かうが、やや違和感が。歩いている人がほとんどいない。

駅の周辺にも人混みがなく、もしやと思って改札まで行くと、始発から運休で午前中いっぱいは運転再開の予定はないとのことだった。狐につままれたような気分で歩いて家に戻る。

ここ10年くらいで大きく変わったのが、自然災害に対する意識や備えの感覚だろう。東日本大震災以来、気候変動に伴う今までにない自然災害の頻発もあって、自然の猛威に対する感度が確実に上っている。コンプライアンスの意識の向上とともに権利主張(クレーマー?)への対応にも抜かりがなくなった。多少の雨風でもみんなで頑張って、何かあっても我慢しようということではやっていられなくなったのだ。

台風が接近となると、学校はすぐに休校となり、交通機関の運休の決定も早くなった。僕もがっつり組織に所属しているときにはそういう感覚の変化を共有できていたのだが、退職して昔の身体感覚に戻ってしまったのかもしれない。

目の前の時代の変動はなかなか自覚できないが、意外と大きな変化があったりする。まして直近のコロナ禍による世界の変貌は視野からあふれていて、いまだとらえることはできない。