大井川通信

大井川あたりの事ども

「デビュー50周年記念 諸星大二郎展」を観て

展覧会を観ながら、僕も諸星作品との半世紀近いかかわりを思い起こした。原画を前にしてのぜいたくな時間だ。

1978年9月 高校二年生のとき、書店で新刊の『妖怪ハンター』を立ち読みする。親友のナス君が面白いよと教えてくれた。

1979年6月 ヤングジャンプ誌面で短編「子どもの遊び」に出会い、衝撃を受ける。

1984年8月 就職して一人暮らし。『コンプレックス・シティ』『子供の王国』等を読みふける。スーパーアクション連載「西遊妖猿伝」を読み進める。

1986年1月 評論家呉智英『現代マンガの全体像』の「生命の木」評価に啓発される。

2000年2月 哲学者永井均『マンガは哲学する』の諸星読みに感銘を受ける。

2007年4月 精神科医渡辺哲夫『知覚の呪縛』を読書会で報告するレジュメで、「不安の立像」を引用する。

2013年7月 ビックコミックで短編「闇綱祭り」読む。往年の名作に遜色ない逸品に喜ぶ。

2013年10月 地元の劇場で「トゥルーデおばさん」を戯曲化した芝居を観る。

2014年1月 大井川歩きを開始し、ヒラトモ様を発見。諸星作品などの虚構の想像力をフィールドで活かす決意をする。

2019年1月 地元の星野之宣展で、諸星さんに会い、ヒラタブンブク標本を手渡す。

2020年1月 家族で萩「元乃隅神社」参詣。「海竜祭の夜」を想起する。

2021年1月 コロナ禍での寝正月で「西遊妖猿伝」全巻読了。