大井川通信

大井川あたりの事ども

薬局をうろつく

実は、自分の進路の件で、いろいろ事情の変更が生じて落ち着かない。本来未来は不確定なのだから、何か新しいことを始めようとするときに、予想外の事態に直面するのはやむを得ないことだろう。

こういう時は、たんたんと確実に前に進める作業をやるのが、精神安定剤となる。今で言えば、毎週末の介護の研修や資格試験や語学の勉強ということになる。

薬の登録販売者の試験は、あと一か月に迫っている。この二か月間基本毎日少しづつ勉強して、テキストの三回目を回しているところで、ほぼ予定どおり。薄い暗記用の参考書と過去問の問題集を手に入れたので、それらも学習に組み込んで残り一か月でいかに効率的に合格点にたどり着くかの勝負になる。

覚える内容は多く、実際のところ必要な知識の2割くらいしか頭に入っていないだろう。全分野の地図がおぼろげにつかめたくらいのところだ。自分の試験勉強の経験からすれば、なんとかなるはずなのだが、普通に考えたら詰め込みの勉強には不利な年齢だし、ある部分の記憶力の衰えは無残なほどだ。

もしこれで不合格なら、自分の衰えと向き合わないといけないことになるが、その時はその時。今は、自分がつちかってきたノウハウを使って、今の自分の心身の状態と折り合いをつけながら、久しぶりの受験を楽しむことにしよう。

もともと自分がコロナ禍で助けられ、現に今も様々な症状で頼っている薬について知識を得たいということが勉強の根本の動機だった。薬を一つのツールにして、本当に分かりたいのは、自分が生きている身体のことだ。

勉強のコツは、いかに自分の自発的な興味関心と実体験をベースに、その分野の知識を組み立てていけるかにかかっていると思う。というわけで、このところできるだけドラッグストアの店内を歩き回るようにしている。受験までに、30回店舗を見ることを目標にしているが、職場の昼休みに歩いていける店もあるので、十分達成できるだろう。

薬の販売や内容についても知識が増えると、それが具体化されて三次元化されている店舗が、急に意味に充ちた空間に変貌して、店内散歩が面白くなるのだ。