大井川通信

大井川あたりの事ども

行橋詣で(2024年2月)

いつもより早めだが、二月は逃げるというので、三連休の中日に行橋に向かう。今回は初めて井手先生が不在だった。ただ、広前には先生の奥様が出てきて座ってくださる。奥様とのエピソードはいろいろお聞きしていたので、いつかはお話をしたいと思っていたところだった。

奥様のお父様は本部の学校で英語の先生をされていたので、幼稚園までそちらに暮らしていたそうだ。教会の教師になるための一年間の学校で井手先生と出会いそこで結婚されたので、子育ての初めはやはり金光町だったとのこと。行橋に戻られてからは、生活の変化で井手先生にも御苦労があったようだ。

その中で、やはり井手先生を慕う先生方も多いという話になって、今日も本部から先生が来られて、ふたりで柳川に行ったと教えていただく。ただサクラメント教会の大矢先生という名前には、聞き覚えがある。

僕が、前回井手先生から教えられて、高橋一郎の「退一歩」という言葉を調べるなかでそれをテーマにした本部での講話の動画を見つけて視聴したのだが、どうやらその講師の先生のようだ。自分の経験を掘り下げて、そこから自分の言葉で信仰を語る魅力的なお話だった。

なんという偶然だろうか。井手先生とは大変仲が良く、昨晩も遅くまでお酒を飲まれて、明日も二人で別府に出かける予定だという。得難い機会なので、帰りを待ってお話を伺いたいという気持ちもあったが、せっかくのお二人の予定に水を差すわけにもいかない。

それで、神社やお寺をみながら行橋の街を歩き、半年ぶりに行橋在住の知人宮田さんを訪ねて、二時間近く話をしてしまった。かつての安部さんの同人誌仲間で、中大仏文科出身。病気療養中だが、文学や宗教の話をする。ブランショ天沢退二郎の名前などがでてくるのは、宮田さんらしい。

小倉で古本屋により、石仏事典を買って家に戻ると、井手先生から電話がある。電話をいただいたのは初めてだ。奥さんもまじえて陽気で楽しそうな食卓の様子が電話口から伝わってくる。大矢先生ともお話をさせていただいた。大矢先生は、金光教の良さは、神様との関係がどこまでも深くなることだとおっしゃる。語りの柔らかさが印象に残った。

井手先生からは大矢先生と直接お会いできる機会をつくりましょうといっていただける。大変ありがたい話だが、電話でのお話だけでも、自分の理解と実践の薄さに冷や汗が出る。とにかく精進しなければとやる気になる。