大井川通信

大井川あたりの事ども

ヒラトモ様ツアー

ひろちゃんの親族を連れて、ヒラトモ様を案内した。本当は、大井の他の「観光スポット」も案内したかったのだが、ヒラトモ様だけでおなかいっぱいで、あとは簡単な説明だけですませた。

ひろちゃんの弟のタケシさん(奥さんもあとから参加)、大阪から参加の妹のマサコさん、それからひろちゃんの娘さん。全員、ヒラトモ様のおひざ元で育っていて、弟さんと妹さんは子どもの頃、ヒラトモ様のあたりには、薪ひろいなどで登っている。

まずは、ひろちゃんの家で、ヒラトモ様の紙芝居を読み上げて、その歴史を説明する。今の人たちは、平家の落武者の伝承という分かりやすい説明に食いついてしまうけれども、近現代の歴史に翻弄された小さなホコラという実際の姿の方が大切で貴重なのだという持論を力説する。

そのあと、里山へ。かつては歩きやすかった林道には枯れた竹が倒れこみ、かなり歩きにくくなっている。山に入る人がいなくなってしまったのだろう。竹が生えていない雑木林の斜面のほうが、急坂でも登りやすい。

ヒラトモ様にお参りするのは、六月のひろちゃんのお葬式のとき以来だ。ヒラトモ様の鎮魂のために平家物語平知盛の最期の場面を朗読したのは、ツアー用のパフォーマンスでもある。近くの石室の露出した円墳に案内すると、これは知らなかったとタケシさんが喜んでくれる。

往復の山道では、地元の方たちだけに、マツタケを採ったことなど子どもの頃の思い出話の花が咲く。同じ山道でも、僕とは見ている景色がだいぶ違うのだろう。

ヨシダ家に戻ってからは、ひろちゃんのおくさんの用意してくれた昼食を、みんなで庭でいただく。七輪で焼いたサンマが美味しかった。そのあと、大井炭鉱のエピソードと、「大井始まった山伏」の絵本を披露して、会はお開きとなった。