大井の里山は東西に峰を広げているけれども、東端のヒラトモ様に上がる山道と、ヒラトモ様から中央の山頂部の三角点まで峰をたどるコースとは、何年も前に発見済みだ。西端の用山側から山に入る道が、うまく探しきれないでいた。以前一度強行突破したことがあるのだが、そのルートも大規模なソーラパネルの造成で断たれてしまった。
今回は、大井林道(昭和28年開設という表示がある)の終点から、植林が広がる斜面をのぼってみる。ところどころ人が踏み固めた山道の痕跡のようなものがあり、意外とすんなりと西側の峰にたどり着いた。峰は明るく、大きな雑木林が目印のように残り、時々眺望が開けて下の集落が見えたりする。
途中、密集した竹藪が続いて歩きにくいところがあったが、なんとか三角点のところまでたどり着くことができた。そこからは勝手知ったる道を、ヒラトモ様まで歩く。正月以降は体調不良が続いたため、これがヒラトモ様への初詣だ。
山を下りると、資材置き場の空き地に、珍しく切り出した丸太が積まれている。地元の里山の材木だと思うが、林業が生き残っているのを見るのはちょっとうれしい。丸太の断面を見ると、中央部分が黒く円形に染まっているスギと、全体が白っぽいヒノキとが混在している様子だ。
原田さんの店に寄り、新しい青竹の杖をわけてもらう。水分を含んでずっしり重い。大井川をさかのぼって貯水池をめざすミサゴの雄姿を見送りつつ、家に戻る。