スタミナ丼が、僕の唯一愛着のあるB級グルメでありながら、嫌な思い出に付きまとわれていることは以前に書いた。この呪いは、今も解けてはいないらしい。
一昨年、今の地元にすた丼のチェーン店ができたのだが、喜びいさんで食べに行っても、本場の東京の味と微妙に違う。それでしばらく行かなかったのだが、久しぶりに食べに行くと、店員の腕も上がったのか思い出のすた丼の味になってはいた。だが・・・
まず初回。今はダイエット中なのだが、ミニすた丼では満足できない。それで「肉増し」の食券を買い、ご飯は少な目で、というと店員が妙な顔をする。出てきたのは、「ご飯大盛」のご飯を少なめにしたという意味不明のすた丼だった。老眼で、食券を買い間違えていたのだ。お肉が元の味に戻っていただけに、ご飯ばかりの多い丼は残念だった。
そこで翌週には、近場に用事があったので、今度こそリベンジしようとお店に駆け込んだ。肉増しの食券を間違いなく購入し、席に着いたときに、カバンの中がびちゃびちゃになっているのに気づいた。ペットボトルのお茶のふたをしっかり閉めていなかったのだ。
カバンの中身をテーブルに出して、トイレで底にたまったお茶を流し、お手拭きの紙で水分をぬぐう。席に戻ると、買ったばかりの本数冊(五千円相当)はダメになっていたが、少しぬれただけの本は、ナプキンでふいて、なんとか乾かそうとする。
こんな作業でバタバタしているときに、すた丼はやってきたが、情けなくて、とても味わうどころではなかったのだ。