大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(夜の家)

廊下がおそろしく長い家だった。廊下の端の向かい合った部屋で家族が寝ていて、そのあたりだけ廊下にも照明がついているし、部屋からも明かりがもれている。

どのくらい廊下が長いのか、突き当りまでの歩数を数えてみようと思ったときだった。突き当りの暗いガラス窓に、こちらの端の明かりが映って、それでいっそう廊下が長く見えていることに気づいた。実際の長さは、明かりまでの半分もないと。

暗い廊下を途中まで歩くと、窓にはまた別のものが映るようになった。窓のずっと先にある事業所の仕事風景である。

ゴロゴロと台車に書類をのせて運ぶ男性の足元。書類をコピーしている女性の胸元。そんなものがまるでスクリーンのように映っている。ペアガラスの効果だな、と僕は納得する。我が家の窓ガラスはペアガラスだから、それがレンズのようになって遠くのものを拡大して見せるのだろう。

その事業所は、かつて僕の勤めていたところだ。僕は、廊下の端の自分たちの部屋に戻ると、職員たちがもう午後10時を過ぎているのに働いている姿が見えたこと、そして今の自分ではとてもそんな仕事はできないという話を妻にした。とても眠かったので。

少しすると、次男がよろよろと廊下に出てきた。トイレに行こうとして寝ぼけているのだろう。僕は、次男の身体をしっかり押さえて、トイレの場所を教えてあげる。次男はまだ小学生くらいの姿だった。

 

※久しぶりにみた鮮明な夢。夜中に見た直後に目を覚まして反芻したせいか、今でも情景ははっきりしている。どんなに変形されていても、そこが自分の家であり、自分の職場だという確信があるというのが、夢の不思議なところ。でもちょっとした共通性はあって、我が家の二階には実際に廊下の突き当りに窓がある。ペアガラスで納得するという疑似科学が通用するのも夢の世界ならでは。今では社会人の次男の10年以上前の姿はかわいらしく懐かしかった。