大井川通信

大井川あたりの事ども

大井川歩きへの決意

新年度初めて大井を歩く。退職前のあわただしさで、ゆっくり歩く機会もなかったのだ。十日ばかりまえに打撲した太ももはまだ痛いし、曇り空の天候も今一つだが、生活が一新したため新鮮な気分だ。

ムラの賢人原田さんの納屋改めギャラリーによると、新しく出版する詩集の校正をやっている。原田さんも先月末で勤めていた保育園を辞めて、新しい試みに目を輝かせていて刺激を受ける。密かに僕もまけまいと思う。

ナガイさんの息子さんの姿が見えたのでお悔やみをいう。僕が聞き取りですいぶんお世話になったお父さんが昨年末に亡くなった。農作業をしたり、犬の散歩をしているナガイさんの姿は、僕にとってこのあたりの風景の一部になっているのに。

薬師堂の前で桜を見上げているご婦人二人に声をかける。その一人から、あなたはこのあたりの歴史をスマホに書いている人ではないかと尋ねられる。たぶん人違いだとおもったが、東京出身で、コロナにかかって、里山の神様について調べていて、と聞くと、僕のことだと納得する。娘さんから僕のブログを教えられて、どんな人が書いているのか思っていたそうだ。

そういえばお正月には、ヒラトモ様に続く林道沿いに住むひろちゃんの娘さんから、ヒラトモ様にお参りに行く人で僕のブログの読者がいることを教えられた。ナガイさんの息子さんもブログを見つけてくれた縁で言葉をかわすようになった。

身辺雑記や読書感想文でお茶を濁さずに、土地の歴史と文化と自然について、もっと深々を身を沈めて言葉を探らなければと、決意を新たにする。