大井川通信

大井川あたりの事ども

中学生のビブリオバトル

少し前だが、中学生がバトラー(発表者)になるビブリオバトルに参加した。今回も運営を手伝うようにしたのだが、自分がプレゼンしない会というのは本当に気楽だ。

参加者として、思いついた質問をしてバトラーとやり取りするのは、かえって楽しみでもある。バトラーのプレゼンに対して、いわばどうボケるのか、というのがポイントだ。すぐれたボケならば、発表者のまってましたという突っ込みを誘発して、プレゼン本への本音や思いの深さを知ることもできるだろう。

4人の中学生バトラーは、緊張していたようだが、実際のプレゼンは立派で堂々としたものだった。大人たちより確実に上手だろう。今の学校現場は、グループ学習の成果を発表させるなど、人前でのプレゼンの機会を多く作っているし、発表の技法も教えている。このあたり何十年前の一斉授業中心の学校教育とはだいぶ違う。

僕がプレゼンについて鍛えられたのは、社会人になってからの新入社員研修が初めてだった。(発声、目線、視線、時間感覚などその時仕込まれたものが、以後ずいぶん役にたった)

中学生たちのプレゼン本は、いわゆるライトノベルが多い。大人には奇想天外な物語にも思えるが、できるだけ子どもたちの気持ちになって、物語の中に入り込んでプレゼンを聞くようにした。そうすれば、自然と質問も浮かんでくる。

お化けたちの運営するホテルのバイトをしている主人公の物語についてプレゼンする中学生に対しては、「あなたがバイトするならホテルでどの仕事をしたいですか」と聞いたりした。当然この設定が気に入っているのだから、こんな問いには即答してくれる。

会の終わりには、代表の人から、会のメンバーに加わりませんかというありがたいお誘いを受けた。本は、僕にとって数少ない強みの一つだ。人付き合いは苦手だが、本を通じて地域活動に参加できるのはうれしい。