大井川通信

大井川あたりの事ども

サークルあれこれ(その5 ビブリオバトルクラブ)

地元でビブリオバトル大会を開くための団体。公的な補助金を受けて活動資金に充てているが、メンバー4人の活動は完全なボランティアだ。僕は数年間ビブリオバトルの参加者としてかかわって、声がかかり昨年から正式メンバーになった。

読書会や勉強会は、単純に本が読みたいから、勉強したいから参加したり運営したりするものだろう。しかし、ビブリオバトルの運営は完全に裏方の仕事になる。だからメンバーはもともと市民活動、コミュニティのための活動に関心のある人たちだ。そもそも本が好きなので本に関わる活動がしたいということもあるだろうが、参加者が喜ぶ姿をモチベーションにしている。

僕は元公務員でイベントや研修会の運営側の仕事をしていたから、彼ら彼女らがまったくボランティアでビブリオバトルを担っていることに頭が下がる思いだ。全国的にはどうやら、図書館関係者が主体となって、市民を巻き込んでビブリオバトルを実施するというのが一般的な形態のようだ。僕もこれは本来図書館の仕事だと思えてしまう。

図書館側から委託されてビブリオバトルを開く。全く悪気はないのだが、図書館司書から当日は振替勤務で参加しますといわれたときには、ガクッとなってしまった。専門的な役割をボランティアの市民が担い、給与をもらっている司書が後方で待機している。自分のかつての仕事ぶりを反省する教材になった。もはや遅いけれども。

5年前、図書館司書の資格を大学の通信教育で取得したとき、図書館の実地調査とその課題解決のための提案という難しいレポート課題があった。エビデンスのない提案は突き返されてしまう。

僕は大都市周辺の小規模の公立図書館を調査対象にした。小中学校とは連携して子どもたちには働きかけているが、その後が弱い。読書会の開催地はたいてい大都市なので、公立図書館が大人向けの読書会やビブリオバトルを主催することで、「本の街」としてのアイデンティティを確立し住民を引き付けるという提案内容は悪くなかったのではないかと今でも思っている。

僕が読書会活動をしていることを知ったメンバーからのリクエストで、とりあえず身内で手軽にオンライン読書会を始めることになった。ビブリオバトルのチャンプ本等をメンバーが選定して、僕が課題本に関するいくつかのお題を事前に出しておいて、順番に口頭で回答してもらう。コミュ力のある人たちだから、とても良い話し合いになって喜ばれた。

僕も娯楽色の強い本の読書(会)は新鮮でよい経験になっている。古典的な定評ある作品を読むことで得るものはもちろん大きいが、現在のベストセラーを読むことで気づかされることもまた別にある。

原則隔月で、昨年は3回開催できた。本好きのメンバーたちにもぜひ読書会の面白さやノウハウを知ってもらいたいと思う。

 

 

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