大井川通信

大井川あたりの事ども

猫の近況

二匹の猫はすっかり家族になってしまったので、あらためて記事にする機会も減ってしまった。それだけ日常の暮らしになじんでしまったのだろう。

ふだん家にいてエサなどの世話をする妻とはいっそう親密になって、母子関係みたいだ。妻が机に座って小物などを作る作業をしているときは、右手の空調機の下の棚の上にはボンちゃんがいて、左手後方のソファーの上には九太郎が陣取っている。「両手に猫」状態だ。実家の子ども時代にずっと猫のいる暮らしをしてきた妻には落ち着く環境だろう。

二匹が同居するようになって、ほぼ二年だが、二匹の関係が縮まることはない。たいてい1メートルくらいの距離を開けているし、出会いがしらに近寄ったりすると猫パンチを繰り出したり、追いかけっこになったりする。小心者ゆえ攻撃的で妻を独占したい九太郎が、ライバル視するボンちゃんに気を許すことはこれからもないかもしれない。

二匹とも、朝にカツオブシのおやつをあげるときだけは愛想がいいが、それ以外のときは僕にはごく冷たいものだ。ただ、深夜や早朝に、僕の二階の寝室に訪ねてくることがあって、その時はドアのむこうでニャーニャーと呼んで開けさせることはいっしょだが、別々にくることもあれば、九太郎のあとをボンちゃんが追ってくることもある。

何かと猫が話題になるし、猫について話せば、とりあえず会話は成立する。ぎすぎすした空気もなごやかになる。子育て中の家族といっしょだろう。二匹の猫も、我が家での生活に満足しているような気がする。願わくばこの暮らしが、できるだけ長く続きますように。