大井川通信

大井川あたりの事ども

「牧のうどん」で尻もちをつく

金曜の夜に残業をして帰ったら、土曜日の朝、いつものように目覚めて起きだすことができない。休日の朝7時からカフェやファミレスに行って、モーニングを食べながらのんびり本を読むのが唯一の楽しみなのだが、とてもその気持ちになれそうもない。

結局、一日一歩も外に出ずにゴロゴロとしていたが、翌日には復活したから、単に疲れていただけなのだろう。以前根をつめて仕事をしていたころ、休日はほとんど寝て暮らしていたのを思い出した。

久しぶりに毎朝のストレッチやバットや木刀振りを再開し、体重管理や血圧の管理もしようと思う。そのくらいの努力が出来なくては、老いにも追いつかれ、あの世へもたちまちに連れていかれてしまうだろう。

仕事に一区切りがついたので、博多駅の本屋に寄ることにした。その前に腹ごしらえで、看板を頼りにバスセンター地下の「牧のうどん」に寄ろうと思いつく。

「牧のうどん」は有名なチェーン店だが、地元に店がなく、なかなか食べる機会がない。券を買って、カウンター席に座ろうとしたが、カウンターの丸椅子が小さい上に地面に固定されている。店が狭いためか、テーブルと椅子の間隔も異様に狭い。

うまくおしりを乗せることができずに、背負ったリュックに引っ張られて身体が後ろに沈んでいく。地面に尻もちをついたものの、腰に力をいれて、あおむけにひっくりかえるのだけは阻止できた。

後頭部を打っていたら、思わぬケガをしていたかもしれない。不幸中の幸いだ。奥のソファー席をすすめてくれた店員さんに大丈夫だと言って、狭いカウンター席で肉うどんに食らいついた。食べ終わる間際まで、刻みネギの容器に気づかなかったくらいだから、やはり平常心ではなかったのだと思う。ふだんなら、せこく野菜がわりに初めから大量に投入するところだ。

こうやって、不格好に老いのふるまいを身に着けていくのだろう。やがて老いそのものになりきっていくのだろう。