僕はアポをとってT高等学校を訪問する。K教主催の青少年向けイベントのチラシをもっていくのだ。宗教関係は嫌われるが、これはあくまで子どもが主体のイベントだし、公の後援もとってあるからそれは大丈夫と考えていた。
T高校につくと、ひろい職員室の片隅には事務室で知った顔の中高年女性が二人いる。一人は僕のことを覚えていたが、もう一人はまったく思い出せないようだったのが、少し残念だった。
ここで、アポを取った教員の名前を控えていないことに気づいて、とにかく教頭のところに案内してもらう。こういうところが仕事人としてダメなのだと思いながら。
教頭と別室に行くと、予想より愛想よく応対してくれて安心する。僕は昔ここで働いていたことや、その後の経歴を話したりした。われながら自己顕示欲が強いとあきれながら。