大井川通信

大井川あたりの事ども

サークルあれこれ(番外編:教育研究会)

記事が遅れがちになり、東京旅行もはさむことから、ある程度回数を稼げるテーマとして苦し紛れに「勉強会・読書会・サークル」シリーズを書き始めたのだが、自分の学びを振り返るよい機会となった。ちょうど新年度から、自分の学びを更新し、ブーストをかけたいと願っているところでもあったので。

いよいよシリーズ最終回。今まで記事にするのを避けてきた仕事がらみの勉強会だ。

僕は、退職までは教育行政にかかわる事務屋をしていた。50代になるとポジションがあがって教員の人事にかかわる権限のある仕事をしなければいけなくなった。県内のある地域の小中学校の先生にかかわる人事だ。

事務屋だから教育の現場のことは実際にはわからない。教員の本音も知らないし、実際にどういう先生がいい先生かもわからない。ただ、教育行政にかかわるような優秀な先生たちとの会話から、彼ら彼女らが自主的な勉強会で鍛えられているという情報を得たので、教師の各種の勉強会をやみくもに見学して回ることにしたのだ。

勉強会には自分でも親しんできたし、自主的に勉強する人たちへの共感もあったから抵抗はまったくなかった。行政の身分で突撃すると警戒をされることもあったが、それ以上に歓迎されてその場で得ることも大きく、参加を後悔するような会はなかった。

2015年の一年間で、自分の担当地域で活動している勉強会には、情報があるかぎりすべて参加したので、それらの成り立ちがいくつもあることに気づいた。その「研究成果」を翌年度当初の管理職相手の研修会で発表して、勉強会のすすめを説くことができた。およそ行政のスタンスとは異なるものだったが、当時教育行政の流行語が「主体的で対話的で深い学び」だったから、教師自身が主体的で対話的な学びの場所(つまり勉強サークル)をもたないで、そのことを子どもに教えられるのかという私見が一定説得力を持っていた気がする。

この教師の勉強会への参加は、僕にいろいろなものをもたらした。一つは、熱心な教師たちに対する尊敬である。少なくとも僕の周囲で自主的にこんなに勉強している行政マンなどいなかった。このことは、結果として教師、管理職、教育長たちからの信頼を得ることに結果して、ポンコツ行政マンが何とか管理職としてのマネジメントを定年まで全うすることにつながったと思う。

もう一つは、レベルの高い学習会やメンバーから刺激を受けて、学びの仲間を得ることができたという点だ。今学芸大にいる大村さんも、この学習会訪問で知り合ったメンバーだ。彼からは今でも大きな刺激をもらっている。

 

 

 

 

 

 

先生たちの勉強会