羽田空港で売店をのぞくと、崎陽軒のシュウマイ15個入が一箱だけ売れ残っている。今日は別の使命があるとはいえ、やはり手ぶらで通りすぎるわけにはいかないと、購入。
今回は新宿駅で京王線に乗り換えて、府中駅で下車する。7月に入って最高気温の記録を更新したという府中だけあって、駅前の温度計は37.3度を示している。
さっそく、くりばやしの店に寄って、餃子を購入。オリジナルを二箱、しそ餃子を一箱、ニンニク抜きのえび餃子を一箱。あらかじめ100均で用紙していた消臭ビニールにくるみ、ファスナー付の密封手提げに入れれば、国分寺に向かうバスの中でも臭いがもれることはない。見事な作戦勝ちだ。
今回の帰省の目的の一つは、前回30年以上ぶりに再会したくりばやしの餃子を腹いっぱい食べることにある。国分寺の姉宅に着くと、四箱分20個のうち三分の二は僕の胃袋におさまった。
一箱5個入りの餃子は大きくて、野菜の入ったうま味のある具がたっぷりと柔らかい皮に包まれている。10個以上たべたら、お腹がはちきれるくらいになる。いかにくりばやしでも餃子はもううんざりだというところまで食べきった。
翌朝の朝ごはんには、崎陽軒のシュウマイが食卓にならぶ。さすがに餃子はもういい。足かけ5日間滞在したが、予想に反してもう一回府中のくりばやしに足を向ける気にはならなかった。
最終日、羽田空港の売店をまっさきにのぞくと、今度も奇蹟的に常温のシュウマイの箱が一つだけ残っている。真空密封シュウマイの箱ばかりが多い。いつものルーティーンで空港をながめるベンチにすわって、袋を破り、辛子を塗って醤油をたらし、15個を食べ尽くした。うまい。冷えても美味しいといううたい文句を今回ほど納得したことはなかった。
崎陽軒の昔ながらの焼売の販売は、昭和3年(1928年)。一方くりばやしの餃子も昭和28年(1953年)以来の歴史をもつ。
意外にも、今回の旅行での両者の直接対決の結果は、崎陽軒の焼売の判定勝ちということに。