大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(出オチ)

大きな校舎のような建物だった。僕はある課題を与えられた。一つの部屋に様々な小道具が置かれている。それを自由に使って、別室で待つ人たちの前で、何か面白いことを演じないといけない。

初めは少し複雑な設定を考えていたのだが、直前になってそれを取りやめ、もっとシンプルにいくことにした。しかしそのためには、真っ赤な輪のようなモノが必要だ。その部屋には、小道具を探すお手伝いをしてくれる女性がいるのだが、なかなか見つからない。僕はようやく、やや地味な赤色のリングを見つけて、会場に出向くことにした。

何かのコンクールやワークショップの課題だったのだろうか。その割には大した緊張感はなかった。その場の人に、余興を見せるくらいの感じだった。

そこは教室のようで、前の扉を少し開けると、部屋の前方から中央を空けて観客がぎっしり座っている。扉のすぐ目の前に演者のためのマイクが仕掛けてある。僕は、マイクに向けて出オチなのでそのつもりで見てください、と断りを入れる。

「タコがとれたぞー」と何回か叫んでから、右手の赤いリングを高くかかげて、会場に走り込む。舞台の中央まで来て、「タコ」をしっかりにぎったまま僕はうつぶせにばたりと倒れた。それだけである。これはさすがに受けなかった。

「なかなか新しいね」そういってくれる観客のつぶやきに、ちょっと救われた気になった。