大井川通信

大井川あたりの事ども

安部さんからの葉書

闘病中の安部文範さんからハガキをいただく。驚き、かつ喜ぶ。

後遺症の影響かやや字体が違って見えたが、よく読むと間違いなく安部さんの文字だし、何より文体は安部さんそのままだ。コロナ禍で病院へのお見舞いはできないし、今年初めの段階では回復具合もまったく不透明だった。それ以降病状についての情報はなく、僕もあえて聞き出そうとはしなかった。

まさか、こんなに普通にハガキの筆をとれるほどよくなっているとは。安部さんは入院生活を「淋しい日々」と書いている。

翌日、僕はさっそく、今までのブログの中で玉乃井展の感想や安部さんに触れた記事を何本かプリントしたものを封筒に入れて、安部さんが入院している病院の受付にもっていった。いつかは安部さんに読んでもらいたいと思って書いた記事ばかりだ。

安部さんの入院先は、聞き取りをもとにして作った「大井始まった山伏」の絵本を持って、力丸ムツコさんの病床を訪ねた時と同じ病院だ。僕がコロナ禍で入院した病院に安部さんも一年近くいたのだが、僕の入院前後にはこのリハビリ専用の病院に移っている。こちらは小さい病院なので、階段を駆け上がればすぐに会える距離だが、コロナ禍で断念せざるをえない。

封筒には、吉田さんとの勉強会で使ったコロナ闘病記のレジュメもあわせて入れて置いた。僕の経験を安部さんはどんな風に読んでくれるだろうか。