大井川通信

大井川あたりの事ども

次男の子育て(感覚統合研究会)

小学校入学と同時に、ワタルは感覚統合研究会(「SI」)に週一回通うようになる。この会は、地元の教育大学の学生のサークルで、顧問は他大学に転出した先生が時々指導に来ていた。会では学生たちが感覚統合理論に基づいて療育する子どもを募集していて、ワタルは親子面接の結果、選ばれたのだ。

感覚統合療法自体はアメリカ由来のもので、入門書をのぞいてみたが、身体をきわめて機能的、図式的にとらえていて、僕にはちょっといかがわしい疑似科学的な理論に思えた。それでも、いろんな遊具などを使った訓練は、ワタルには楽しいものだったと思う。

何より、大学生が親身になって関わってくれるのは、ワタルにも母親にも良かったと思う。一年目に担当してくれたヨシムラさんは、地元の小学校の先生になっているし、二年目のキトウさんは、別の市の特別支援学校の先生だ。三年目の担当のハヤシさんは、福祉関係の仕事をしたあと、今は大学院で障害学の研究をしている。有難いことに、10年以上たった今でも、三人との交流が続いているのだ。

SIでは、顧問教授への真面目な報告会のほかにも、学生の企画するキャンプやクリスマス会などの行事があって、家族で参加した。小学校高学年の長男にとって、大学生と触れ合う機会は貴重だったと思う。

結果的に、この三年間でワタルの言葉の力はずいぶんと伸びた。小学校の先生方の関わりはもちろん、SIのおかげでもあったと感謝している。

小学校1、2年生の時は、高学年だった長男がワタルを学校まで連れていってくれたが、長男の卒業後3年生になると、車通勤だった僕が校門の近くまで送った。僕が電車通勤になった4年生からは、ワタルも一人で通学するようになる。