大井川通信

大井川あたりの事ども

新型コロナウィルスに感染する ⑫(回復期)

6月5日 入院5日目 長男に体調は良くなりつつあるとメールする。看護師さんから、ベッドの上で、身体を拭いてもらったり、頭を洗ってもらったりする。

6月7日 入院7日目 3日以来のレントゲンで、主治医から初めてはっきり肺がかなり改善しているという診断を聞く。大掛かりな酸素吸入装置をはずす。

6月8日 入院8日目 夜になると身体にひどい痒みがでて、眠れなくなる。寝不足のまま朝を迎え、午前中に寝込んでしまうことを繰り返すようになる。

6月9日 入院9日目 酸素吸入を4リットルから2リットルに変更。主治医によると、肺の音も回復しはじめているとのこと。順調に酸素を少なくしているから、酸素離脱が退院のメドになると説明を受ける。

6月10日 入院10日目 朝、看護師さんに訪ねると、一般的には酸素は2リットルから1リットル、そして0.5リットルというように段階を踏んで減らしていくという話を聞く。まだ何日か時間がかかることを覚悟していると、午前中に酸素を2リットルに減らし、昼前に酸素吸入を外すことができた。自力で呼吸できることのありがたさ!

一人で部屋の外のトイレを使えるようになる。久々のウオッシュレットはうれしい。入院以来初めて風呂に入る。

主治医から、明日から一般病棟に転院することの説明をうける。あらためて容体が厳しかったという事実を聞かされる。ステロイドの大量投与については、何とか効いてくれ、という気持ちだったという。ステロイドの投薬は急に止められないので、来週まで一般病棟で点滴を続ける必要があるとのこと。

6月11日 入院11日目。午後から一般病棟へ移る。内科の一般病棟は同じフロアにあって、コロナ病棟とは、透明な二重の扉で仕切られている。真ん中の緩衝地帯のようなところで、見慣れない軽装の主治医や看護師長さんたちに見送られて、自分の足でふわふわと一般病棟への境界をこえて進む。

一般病棟はやはり下界に下りたようで解放感がある。久々自販機も使う。廊下での歩行訓練を開始。今回のリハビリはすべて僕の自己判断で行った。この日からようやく入院中の出来事を思い出しながら、メモを作り始める。やはり歩くことと主体的に考えることとの間には、なんらかのつながりがあるようだ。