大井川通信

大井川あたりの事ども

次男の子育て(社内報・作文)

「育ててくれてありがとう」

私は今から22年前に〇〇県〇〇市の〇〇家の次男としてこの世に生を受けました。生まれる際、軽い障碍と、日常生活や仕事などに支障が出る病気を患ったのですが、父や母のおかげで長い時間をかけて寛解する事ができ、軽い障碍は両親にサポートしてもらいながら日々を過ごしました。

父は、私が赤ちゃんの頃から現在に至るまで、私のことを想って育ててくれました。小さい時から兄や母と一緒に遠い所まで連れて行ってくれることもよくありました。社会的な勉強や常識を学んだのも父から教わったからです。

母も、私が子どもの頃から大切に育ててくれ、特にご飯をよく作ってくれて、いつも感謝しながら食べていました。私が高校を卒業した後も朝早くからお弁当を作ってくれ、本当にありがとうという言葉しか出てきません。

小学生の頃は、障碍に加え、喋るのが苦手というだけでよくいじめられました。当時は頭がはっきりしておらず、数々の暴言を言われてもあだ名だと思っていましたが、中学生になってようやく「いじめられていたんだな」と気が付きました。分かった途端にすごいショックを受けたことを今でも覚えています。

中学生になってもまたいじめられるのかと不安に思っていましたが、そんなことはなく、むしろ友好的に接してくれる人もいました。後で知ったことなのですが、母が道徳の授業に参加して、私が中学生になってもいじめられないように、クラスのみんなに伝えてくれていたそうです。そのおかげで私は中学三年間、いじめられることなく、無事に卒業出来ました。もし母がクラスのみんなに私のことを伝えてくれなかったら、中学生になってもいじめられていたと思うので、本当に感謝しかありませんし、守ってくれてありがとうと心から思っています。

4年前の2017年4月に〇〇に入社し、初めての土地、仕事、周りに知る人もいない中で不安ばかりがありました。しかし今では先輩方や周りの方々に補助をしてもらいながら頑張ることができています。これからもいろいろと迷惑をかけると思いますが、温かく見守っていてください。

父さんと母さんの息子として産んでくれて、本当にありがとう。

 

※次男の勤務先の企業グループの社内報(今年の3月号)に掲載されたもの。本人は恥ずかしかったらしく親に見せなかったけれども、今回の転勤で新しい施設長さんに教えられた。次男によると書く内容のアドバイスは受けたそうで、漢字の修正などもしてもらっているはずだが、文章自体は彼のものだろう。エピソードを過不足なく説明してひとまとまりの段落をつくり、それを順序よく並べていくという文章作法はどこで身につけたのか、我が子ながら驚異的だ。