大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(消えない音楽)

なんでも暗く大きなビルの中のようだった。どういう状況だったからわからない。僕は独りで警報装置のようなものをいじっている。さきほどから、ビルの中で音楽が鳴りやまないのだ。

ボリューム調節つまみらしきものを見つけて、それをひねってみる。ところが音量はまったく下がらずに、同じ音楽が流れ続けている。僕は絶望的になった。いくらこの装置を操作しても、音楽を止めることはできないのだ。しかし、音楽を止めなければ、僕の立場はますます悪くなるのだろう。

あせりながら、僕はすこしずつ目覚めていく。音楽は耳元でなり続けるが、不意にそれが、つけっぱなしのまま寝てしまったテレビから流れる音楽動画の演奏音であることに気づいた。

どうりで僕が夢の中で何をしようとも音量が落ちなかったわけだ。実際に起きてテレビのリモコンを操作しない限り、音楽が消えることはない。夢うつつのまま、そんな風に納得した。