大井川通信

大井川あたりの事ども

セミの亡骸

今年は例年にまさる猛暑で、近所を出歩くことが難しかった。ただ、自宅の庭でセミの抜け殻が全く見当たらないことから、クマゼミの地中生活についての「仮説」を得ることができた。その後の今年のセミの観察状況をメモしておこう。

セミの亡骸は7月の内から見ていたが、やはり8月になって多く見るようになった。とくに今日8月6日は、そのピークだったような感じがする。玄関を出るといきなり交尾したままのセミが落ちている。駅に着くまでもあちこちでセミの亡骸をみた。

今年クマゼミの成虫を初めに見たのは、6月30日。クマゼミの合唱が始まったのは7月10日過ぎで例年より早かった気がする。しかし、その間にタイムラグはあったから、セミの羽化後、鳴きだすまでにある程度の時間がかかるという僕の以前の仮説通りではあった。

7月の終わりから8月の初めにかけてセミの亡骸が多く見つかるということは、この付近のセミの寿命はやはり1か月程度はあると類推できるだろう。セミの羽化ではなく鳴きはじめを基準にしてしまうと、セミの寿命を短く(2週間程度に)見積ってしまうのではないかという仮説も、今年の状況からは維持できそうだ。

ヒメハルゼミの声は、7月2日に和歌社で聞くことができた。ニイニイゼミは意識して聞くことはなかった。アブラゼミは少ないが、夕方に鳴くので気づくことができる。

東京、千葉では、相変わらずミンミンゼミの声ばかりが目立っていた。僕が東京を離れる前まではありえない光景なので、今でも不思議な気がする。ただしリズミカルで力強いミンミンゼミの声は、いかにも夏らしい情緒にあふれていて、一本調子なクマゼミアブラゼミよりはいいと思う。