大井川通信

大井川あたりの事ども

食べ放題で食べすぎる/読書会で言いすぎる

今回のコロナ騒動では、我が家では4人中3人が感染・発症し、ホテルに隔離されて、親二人が緊急入院するというダメージを受けた。

自宅では、濃厚接触者の長男と猫2匹の生活が1週間続いたあと、次の1週間は次男が戻り、次は妻、最後に僕と、毎週帰還者が加わった。人間関係の組み合わせも、コロナの病状も猫の目のように変わる、激動の1か月だった。

ありふれた言い方だが、危機的な状況におけるコミュニケーションを体験し、家族のきずなは相当強くなったのではないだろうか。

全員の快気祝いで、和食バイキングに出かけることになった。この時、長男と次男とで、僕がお腹をこわすかどうか、賭けをしたらしい。長男はこわさない方に賭け、次男はこわす方に賭けたそうだが、その時の次男の着眼点が面白かったと長男がおしえてくれた。次男はこんなふうに言ったそうだ。

だってお父さんは、食べ放題ではいつも食べすぎたと後悔しているし、読書会ではいつも言いすぎたと後悔しているじゃないか。

ぐうの音もでない。この2点こそ僕という人間の弱点を見事に抉り出していると思わざるをえない。自分ではあまり認めたくはないが、あえて言えば、食い意地と目立ちたがりという原始的な欲望に振りまわされている、という状態だろうか。

とにかく、この数年の話ではない。小さいころから父親を身近に観察しつづけた次男の慧眼、恐るべしである。

バイキングは体調管理を考えて、ずいぶん遠慮したつもりだけど、やっぱり食べ過ぎて、お腹をこわしてしまいました。よって、次男の勝ち。