大井川通信

大井川あたりの事ども

まどマギの別れ

職場の同僚のヘザーさんが、急に日本を発つことになった。ヘザーさんが、来日したのは6年ほど前で、僕とは仕事上特別なかかわりがあったわけではないし、この間3年以上職場が変わって顔を合わさない時期もあった。

ただ彼女が、アメリカにいるときから日本のアニメが好きだというので、来日した当時アニメの話をしたことがある。僕が、「魔法少女まどかマギカ」を見たばかりの頃だったが、たまたま彼女も好きで、自分の息子を物語の主人公の名前から、カナメと名づけたという。主人公は「鹿目(かなめ)まどか」だから、それは名字ではないかと思ったが、そんな小さなことは気にしないのだろう。

それでヘザーさんには、まどマギのグッズをあげたり、英会話の練習をかねて、僕の好きなキャラクター暁美ほむらの名セリフの英語版を覚えて披露したりした。

「悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界だけれども、だとしてもここは、かつてあの子が守ろうとした場所なんだ。それを、覚えてる。決して、忘れたりしない。だから、私は戦い続ける・・・」

アニメの最終話の最後のシーン。暁美ほむらはこう言い放って、引き絞った弓を放つ。

最後にそんな名セリフとともに別れを告げようと思ったけれども、日程があわず、それもかなわなかった。ただ、至急アマゾンで取り寄せた、まどマギの10周年のカードとキーホルダーのプレゼントは渡してもらうことはできた。

カナメくん一家に幸多からんことを。