大井川通信

大井川あたりの事ども

10月を振り返る

10月に入って、高村光太郎の「秋の祈」をずいぶん朗唱した。気分が高揚して、転機となる月だったのだと思う。

気候が良くなり、大井川歩きと歩きながらの聞き取りを、本格的に再開する。偶然が重なり、思ってもみない人から面白い話を聞かせていただく。月例勉強会のテーマも、これにした。やはり、僕の活動の軸はここにあるのだ。

これに併せて、自分の思想的基盤になりうるのではないかと気になっていた「民衆宗教」への取組のきっかけを得たのも大きい。まずは黒住教について理解を深め、教会も訪問した。

一方、中旬から10日以上長引く風邪をひいてしまったが、幸い寝込んだのは初めの数日だった。ただし、全般的な体力の衰えや体調の劣化を日増しに感じる。それにあらがう活動に取り組まないと。

競馬のシーズンが再開し、毎週末のG1レースのテレビ視聴と事前の予想動画の鑑賞が、毎週の区切りとなった。天皇賞(秋)で、僕の遅咲きの競馬体験も丸一年が経過する。相変わらず馬券は一円も買わないが、十分興奮できる。人々の大変な労力と財力と妄念がかけられている競技は、ぜいたくな娯楽だ。

押しバンドのBand-Maidの北米ツアーが始まり、毎日の動画のチェックに余念がなかった。ライブ中の動画撮影が自由で、ファンカムの動画がすぐにアップされるから、一つのコンサートをいろいろな角度で楽しめる。観客の姿も個性的で、アメリカの地図を広げながら、柄にもなくかの地に思いをはせたりした。

僕がBand-Maidを知ったのは、コロナ禍の直前だったから、海外のファンカムをリアルタイムで見れたのは、今回が初めてだ。11月1日のシカゴでツアーが無事終わったのは何よりだが、これからは少し寂しい。ただ、メンバーの雄姿には大いに励まされた。

11月初めに禅宗様建築鑑賞の旅に出ることを急遽思い立つ。子供の頃から好きだったものが、なにより僕の原動力となる。