大井川通信

大井川あたりの事ども

次男のデート?

昨夏、希望通り地元の施設に転勤することができた次男だが、就職以来最大のピンチとなってしまった。本人が自分で転職を考えて、母校や施設に相談に行くほど深刻だった。

施設の責任者の人たちと面談したが、仕事ぶりも必ずしも期待通りのものではなかったようだ。転勤後の職場は、以前よりも仕事にも人にも明らかに恵まれているが、障害というハンデをもつ次男には、環境の激変が強いストレスとなってしまったようだ。

それが数か月で落ち着いて、どうにか仕事を続けている。出勤の朝には母親にグチを言うことも多いようだが、休日の表情を見る限り、まずまずの状態ではあるようだ。

たまたま今日平日のお休みで、母親によると、門司港に遠出したらしい。昼食は、名物の焼きカレーを食べ、オルゴールを自分用のお土産に買ってきたそうだ。人情の機微にうとい妻はまったく気づいていないようだが、僕にはピンときた。

次男の行動パターンはだいたい決まっていて、なかなかそれを崩すことができない。北九州方面でも、小倉の漫画博物館にしか行かないし、その時の食事は必ず駅のホームのラーメンだ。いくら美味しい店を紹介しても自分から行くことはない。

それが突然観光地の門司港に出かけ、ハードルの高い名物料理を食べ、デートコース定番のオルゴール店でオルゴールを買ってくるとは。

これが何を意味するかは火を見るより明らかだろう。そういえば、ここのところ、休日の前日に、なぜかいつもの外食の時より2時間くらい遅く帰ってくることが二度ほどあった。これも、次男の定型を崩した行動だ。

新しい勤務先のいいところは、若い職員の多いところだ。ハンデのある人もいれば外国から来た人もいる。話の合う異性の友達に恵まれたのなら、親としてこれ以上うれしいことはない。