大井川通信

大井川あたりの事ども

九太郎とボンちゃんの急接近?

九太郎は、我が家に来てから丸5年。ボンちゃんは、3年半になる。つまり、二匹は、もう3年半も同居しているのだ。

はじめ、同居を始めた猫同士は、3か月くらいで仲良くなると教えられた。しかし少しずつ慣れているように思えても、いっこうに仲良くはならない。とくに九太郎は、ボンちゃんが近づくと、ハーッと威嚇することが続いた。たまに気まぐれで、九太郎の方から近づいて、鼻と鼻とをくっつけようとする場面もあったが、一過性に過ぎなかった。

原因は明らかに、九太郎にある。親元から生後二カ月で引き離されて我が家にやってきた彼は、猫としての社会性が欠落している。そのあと一年半、人間とだけ暮らしてきたから、人間としての自覚が育ってしまっている。それに先住猫としてのプライドもある。

一方、生まれてから半年間、子猫の時期を大勢の仲間にもまれてきたボンちゃんは、あくまで猫としての自覚がある。だから、初めはボンちゃんの方からアプローチしていたが、この気難しい兄ちゃん猫には、すっかり音を上げてしまった。

ボンちゃんは、仲間や家族を決して噛んだり爪で引っかいたりしない。これは子猫の社会の中で学んだことだろう。一方九太郎は、反射的に噛んだり引っかいたりしてしまうので、僕もだいぶ傷を作った。おそらくボンちゃんにも痛い思いをさせているのではないか。これではボンちゃんが恐れてしまう。

たしかに、近頃九太郎のハーッといううなり声を聞かなくなった気がする。しかしそんなふうに感じたことはこの3年間で何度もあった。そこから先が進展しないのだ。

ところが昨日、妻が送ってくれた動画を見ると、小さな猫のベッドの上と下に並んで横になって、お互いいろいろちょっかいを出し合っている。一分ぐらいじゃれあっている。

今までなら、偶然二匹が鉢合わせすることがあっても、どちらかが手を出すとすぐに離れてしまっていた。今回は、ボンちゃんも反撃されても逃げたりはしない。猫パンチも本気ではなく爪も出ていないのだろう。

帰宅後も同じようなじゃれあいを目撃したから、かなりの頻度で行われているのだろう。これは明らかに新次元の出来事だ。

妻によると、何年も仲の悪かった猫同士がお互いをなめあうような仲良しになった動画をYouTubeで見たそうで、我が家の猫たちもそうなるかもしれないと期待をふくらませる。