大井川通信

大井川あたりの事ども

「強力わかもと」を飲む

妻が、先月くらいから胃腸の調子が悪く、それを理由にして外にも出たがらないし、そうなると気分も滅入っているようだ。かかりつけの医者に漢方薬の処方をしてもらったそうだが、いっこうによくならない。

ところが、何がきっかけかはわからないが、「強力わかもと」を飲み始めたらお腹の調子がよくなったという。もう数週間たつというのだから、本物だろう。

それで応援の意味をかねて(というより単にうらやましい、ご利益にあずかりたいという気持ちで)僕もためしに飲んでみた。一回9錠で、毎食後というからかなり大量摂取になるし、ビール酵母が主成分らしい錠剤は、ぱさぱさとして味気ない。ちなみに若い頃に飲んだことある妻は、錠剤をかんだ味が美味しいという。

ところが飲み始めると、明らかに胃腸の状態が安定してきた。僕も妻ほどではないが、胃腸が強い方ではない。それだけでなく、夏バテ気味の体調にも多少よい作用を及ぼしている手ごたえがある。

それで、夫婦そろってせっせと「強力わかもと」を服用中である。真面目に飲んでも、一人一日50円くらいですむそうだ。

もともと僕は、こうした古くからある薬類、食品類が好きだ。わかもとも昭和初期に売り出されて、戦後に「強力わかもと」と強力に命名されたようだが、いかにも高度成長期の日本の雰囲気をまとった栄養剤だ。昭和30年代生まれの僕たち夫婦の身体によくなじむのだろうか。

「わかもと」といえば、東京ケーキベビーカステラの一種)の屋台の中で「栄養わかもと」入りを宣伝文句にしていたところがあった。製造工程のどこかで、わかもとの錠剤をぱらぱらとふりまくくらいなら、たいした栄養にもならない代わりに、さほどコストもかからないにちがいない。