行橋の図書館で万城目学さんのイベントに参加した。気づいたことをいくつか。
万城目さんはとても感じのよい人だった。地味だけれどもほのかに愛嬌のある風貌も、脱力系で特別に受けをねらわずとも面白い話しぶりも好感がもてた。
ビブリオバトルの参加について、自分は若いころずっと本は一人で読んで楽しむもので、他の人と情報交換できると思っていなかったから、こういう場はうらやましいと話していた。そのためか、サインももらう時に、こんど万城目さんの本を読書会でやるのですがどの作品がいいでしょうかと声をかけると、「読書会」というものに興味を持っている様子だった。僕は簡単に読書会のやり方を説明する。サイン本は新刊の『六月のぶりぶりぎっちょん』だったので、これでいいんじゃないですか、とのこと。
バトラーは近隣の高校3校。複数でのプレゼンも認めているので、二校はそれぞれ5名によるプレゼンだった。一校は、5人が順番で説明するやり方だったが、もう一校は、芝居仕立てで女子高生たちの日常会話で本の面白さを説明するものとなっていた。プレゼン後の質疑は、会場とではなく作者の万城目さんとの間で行われ、高校生から作者への質問もあってそのやり取りがとても面白かった。
以前から気になっていたが、行橋図書館の運営はとても柔軟でスマートだ。小説を読む読書会やビブリオバトルなども定期開催している。担当者に聞くと、指定管理業者の運営で、会社名は僕でも聞いたことのあるくらいの会社だった。なるほどイベントの司会を担当した館長もかなり若い人だった。
地元の図書館は市の直営だが、作家の講演会も旧態依然だし、読書会やビブリオバトルの定期開催もない。指定管理には批判も多いが、良い面もあることに気づく。