大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢を見た(不治の病)

職場に電話がかかってくる。「すぐに病院に来ないと死にますよ、という検査結果の通知を見てないのですか」と、とがめるような若い女性の声だ。そういえば、病院からの封書を見ていたのを思い出した。しかしそんな重大な知らせを忘れて一日放っておいたことに、我ながらあきれてしまう。

職場を出る。このまま入院とかなったら、日ごろの仕事が滞りがちで整理がついていないことを責められるだろう。あの人は、やるべき仕事をしていない、といううわさ話をする同僚たちの声聞こえてくる。

クリニックのような明るい病院につくと、ベッドに寝かせられ、やはりかなりの難病であることが明らかになる。脳の機能と人格が分割されてしまい、身体を自由にコントロールするのも難しくなるらしい。そう言われてみると、一人でいる時、叫びだしたくなったり、奇妙な仕草をしたくなったりするのも、この病気の兆候だったのかもしれないと思う。ベットの上で、すでに手足の自由が失われ始めている。

こんなときでも回復できるような気がしているのは、心理学でいう「楽観主義バイアス」なのだろうと自覚する。しかし本当はもう駄目なことはわかっている。日ごろ健康管理をせずに過食だったことを後悔するが、もう遅い。僕は呆然とベッドに横たわるしかなかった。