仕事がらみで、脳科学者の講演を聞いた。有名学者だけあって、素人にもよくわかる気の利いた話で楽しかった。テンポよく要所で、錯覚図形をプロジェクターに映す。効果抜群の画像だから、聴衆を驚かせて飽きさせない。
錯覚はおもしろい。僕は子どもの頃、社会思想文庫の『おもしろい物理学』で、錯覚図形を教えられて、強い印象を受けた。それ以来、気になって錯覚の専門書を買ったりしている。でもなんで「物理学」の入門書に錯覚の紹介があったのだろう。今になって、初めて不思議に思う。
脳科学者の話は、いろいろな実験データから、僕たちがなるほどなと思える、ちょっと意外な結論を導き出す。実際だれもが、自分の「脳」を運用しているその道の専門家なのだから、僕たちにもどこか思い当たる結論が出て来るのは当然なのだろう。
脳が力が発揮するのは、上機嫌で楽しくやっているときである。なるほど、僕もある時期から自分の仕事を、この考えに基づいて合理化してきた。同僚に厳しくできない性格だから、その分職場を楽しくするようにしてきたのだ。
脳は歩いている時に、活性化されるらしい。なるほど、歩きながら考え事をするという人は多い。大井川歩きも、あえて「歩く」ことで、土地な対する感覚や思考を深めようとするものだ。