大井川通信

大井川あたりの事ども

ファミレスの家族

このごろ、ジョイフルにあまり行かなくなった。以前はほとんど書斎代わりに使っていたのに、あたらしくできたタリーズコーヒーコメダ珈琲で勉強することが多くなった。メニューや施設やらの問題もあるのだが、同じように勉強している利用者が多いのも居やすい理由かもしれない。

久しぶりのジョイフルは、やはり親子連れが多い。

斜め前のテーブルに両親と男の子二人の家族がすわる。作業服をきた若い父親は、大きな声で店員を呼びつけたり、ささいなことで子どもを乱暴に叱かりつけたりしている。暴君のようだ。児童虐待が心配になる。

一方、すぐ前のテーブルに座った四人家族は、小さな女の子が二人で、両親とも上品そうな人だ。今は「親ガチャ」という言葉があるそうだが、たしかにどんな親を「ひく」かで、その子の運命は大きく変わってしまうのだと実感する。

しかし、しばらく見ていても、目の前の父親はスマホに目を落としているばかりで、母親にも子どもにもまったく声をかけようとしない。女の子は無邪気だが、話しかけるのは母親ばかりで、それもあまり楽しそうではない。

一方、斜め前のテーブルでは、相変わらず父親は乱暴な言葉使いだが、笑顔がある。母親も気兼ねなく話しているし、男の子たちも父親にしっかり反撃している。

勉強に集中しているうちに、二家族ともいなくなってしまった。考えてみれば、二人の父親とも僕の子どものような世代だ。そこにはすでに新しい家族のあり方や文化が生まれているのだろう。あれこれ自分の感覚だけで判断するのはやめようと、反省。