大井川通信

大井川あたりの事ども

同窓会の連絡

3月まで働いていた職場から電話がある。僕の中学校の同級生という女性から電話があったそうで、携帯の番号を聞いているので、連絡してあげてほしいという。

名前を聞いても、あの人だという明確な像を結ばない。しかし、まったく知らない人という感じでもない。たぶんあの人では、というあいまいなイメージが浮かぶ。

覚えていないというのでは、失礼だ。「ショートカットの元気な女の子でしたね」とまでは言えると確信してから、携帯で教えられた番号にかけた。

もと同級生とは言え、見知らぬ女性と電話でやりとりする機会などめったにないから、胸が高鳴る。おそらく同窓会の誘いなのだろうが、そんなに悪い話ではないだろう。

電話にでた女性の声は、瞬間、僕の世代よりかなり若い気がして、親しみよりも違和感が立ち上がる。「〇〇中学校の卒業生ですよね」と聞きなれない校名を言うので、聞き返すと、相手もすぐに人違いと気づいたようだ。

お互いに電話の向う側にいるのが、期待に反して金輪際無関係の人間同士であるのがわかって、儀礼的に一言、二言言葉を交わしてから電話を切った。

地元に僕の今の仕事を知っている知人がいないわけではないから、職場にまでかけてくる以上、人違いの可能性をまったく考えていなかった。実際には、ネットの検索で同じ県内で働いている僕を、自分の同級生と思い込んだ結果のようだ。

なるほど、僕の氏名はそこまで珍しいものではないと思うが、ネットでエゴサーチしても、数名しかでてこない。僕と、さる民間企業に勤務している人と、某大学のOBの人と。あと戦前に大陸で仕事をしていたらしい人くらいだ。

さまざまな事情でネットに名前があがる一部の人間以外にも、多くの同姓同名人が存在すると気づいた出来事だった。

 

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