大井川通信

大井川あたりの事ども

交渉の得意な女

ガス給湯器は現状でも、納期が3か月まちくらいらしい。実は少し前に知り合いの実家の給湯器が壊れて困っているという話を耳にしていたので、その覚悟はできていた。

ガス会社には代替機の用意もあるが、数に限りがあり、そちらも順番待ちの状態なのだという。幸い、追い炊き機能だけは生きているので、風呂桶に水をためてからお湯をわかし、そのお湯で身体を洗うことは可能だ。それでしのぐしかないと覚悟を決めて、とりあえず担当の人に見積もりにきてもらうことにした。

平日だったので妻が対応したのだが、来てくれた人の説明は、僕が聞いたことと同じだった。ただし、追い炊き機能に頼っても、漏電などの心配があるし、いつまでもつかどうかもわからない。

おそらく妻のことだから、あれこれ粘ったのだろう。一方的に強く言うだけだったら、相手も人間だから反発を招くだけだ。販売の仕事をしてきて、素直で無邪気なところのある妻は、こうした場合に自分のいいたいことをはっきり伝えて人の気持ちをつかむのが上手だ。

以上のことを言い残していったんは帰った営業の人が、5分後にまたやってきて、なんとか代替機が用意できたという。そして、翌日には、代替機を取り付けて、家の蛇口からお湯が出るようになった。

予想外の急転回に、妻に感謝するしかない。あっというまに代替機に交換されて撤去された25年のベテラン給湯器に別れを告げる暇がなかったのは心残りであるが。