大井川通信

大井川あたりの事ども

5類感染症移行!

今日で、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行となった。3月13日のマスク着用の見直し時も、多少の感慨があったが、今回は騒動の終息にむけての一つの区切りだから感慨もひとしおだ。

コロナ禍の本質だとか、様々な対策の巧拙、今回の措置の是非は問わないし、さほど興味もない。ただ、この3年間、大きな強制力によって振り回されつづけて、中でも2年前にウィルス本体の直撃も受けて死に瀕する経験をした、という体感は圧倒的なものとして自分の中に残っている。

今後、こうした災いが頻発する世界になるかもしれないが、今までの経験を振り返ってみても、70年代の高度成長終焉と石油危機、冷戦終焉に引き続く90年代の戦後体制の危機に引き続くような、体制の大きな動揺があった気がする。

個人的には、日本社会の優位性の神話に最終的にとどめをさされたいう印象がある。1961年生まれの僕は、好むと好まざるとこの神話の帰趨(成長と衰退)とともに生きてきた思いが強いからだ。

仕事面では、定年前最後の二年間の仕事が、コロナ禍の直撃を受けた。ただ、年功序列の公的な組織のポストだったから、実質的に儀礼的な交際や酒席への参加が主要な仕事になるところだった。その部分が、コロナ禍でふっとんだ。本音を言えば、酒と儀礼が苦手の僕は、おかげで助かったわけである。

まして、危機の時代になって、今までのやり方が全く通じなくなったから、新しいアイデアを出したり、今までの仕組みを改善したりすることは、保守的な組織にも受け入れられやすくなった。なけなしの知識と経験を活かして、他の人には思いつかないような有効な施策を(火事場泥棒的に)潜り込ませることができたと密かに自負している。

その後の一年間は、中途半端にコロナを引きずって、気分一新のスタートを切るというわけにはいかなかった。この「5類移行」をよいけっかけにしたいものだ。