大井川通信

大井川あたりの事ども

金光教

祈祷(きとう)は迷信の特徴なり

近頃は、岩波文庫の『清澤満之集』所収の短文を毎日読むことを心掛けるようにしている。清澤満之との出会いは、今村先生晩年の紹介がきっかけだが、その後羽田先生ら仏教者との出会いもあり、清澤満之の思想と存在は、僕には特別なものになっている。 何より…

『日本の新興宗教』 高木宏夫 1959

岩波新書青版(1949-1977)の一冊で近頃再刊されたもの。新宗教に多少興味がある僕でも、岩波新書にこんな本があるとは知らなかった。新興宗教という呼び名自体も今では古びているが、内容も明らかに一時代前のもので、現代では考えられないような視点から…

『深き心の底より』 小川洋子 1999

小説家小川洋子(1962-)の初期のエッセイ集。 小川洋子は、映画化されたベストセラーを書いているような有名作家だから、僕には遠い存在だった。ただ、小さな接点があることは気づいていた。 あらためて調べてみると、彼女は昭和37年の早生まれで、僕とは…

『危機の時代に生きる力を』 荒木美智雄 2010

偶然手に取った講談社学術文庫の新刊『宗教の創造力』(2001文庫化、底本1987)で宗教学者荒木美智雄(1938-2008)のことを知ったのは、もう20年前のことだ。巻頭の論文で、金光教の教祖金光大神を高く評価しているのが目を引いて、僕が金光教に関心をもつ…

『神道入門』 井上順孝 2006  

出版当初に読んでだいぶ勉強になった平凡社新書の一冊。その後、汚すか何かで買いなおしておいたものを今回再読した。 神道入門などというと、ちょっとおどろおどろしいというか、イデオロギー的なバイアスのかかった内容を予想してしまう。ところが本書は、…

金光教教会にお参りする

以前日程を聞いていたので、午後に近所の金光教の教会の祭祀に初参加する。 比較対象となるのが、職場がらみで何度か参加した地元の神社の祭祀と、先日頼んで参加させてもらった黒住教の祭祀くらいしかないが、初参加の新鮮な印象をメモしておこう。 やはり…

『金光大神』 金光教本部教庁 2003

金光教の教祖金光大神(赤沢文治 1814-1883)の大部な伝記。近所の教会の教会長さんから5年ほど前にいただいたものだが、今回初めて読了した。 昨年末に、黒住教の経典を読んで教会に参拝したことがきっかけになった読書で、民衆宗教についての関心はずい…

『身体論集成』 市川浩(中村雄二郎編) 2001

硬派な哲学論文集だが、面白く読めた。哲学者の細かい議論についていく能力も気力も関心も自分にはもう残っていないと思っていたが、この本は違った。 僕の学生時代から、市川浩(1931-2002)の身体論は著名で何冊かの本はもっているが、例によってしっかり…

『おみくじの歌』 平野多恵 2019

詩歌を読む読書会の課題図書。題名を聞いても何のことかわからなかったが、全国各地の神社のおみくじに書かれている和歌を中心にして、おみくじにゆかりの歌を50首集めた解説書になっている。 おみくじには吉凶が書かれているのは間違いないが、和歌があっ…

『民衆宗教と国家神道』 小澤浩 2004

山川出版社の日本史リブレットシリーズの一冊で、100ページくらいのブックレットだが、中身は濃い。大井川歩きの基本書の一つというべき良書で、今回は再読になる。 地元を歩くと、どうしても神社と民間信仰の問題にぶつかる。そうすると、国家神道の負の歴…

『黒住教経典抄』 黒住教教学局 1964

以前、仕事で倉敷に住んでいた長男を訪ねた時、たまたま近くに金光教と黒住教の本部があることを知って寄ってみたことがあった。そんなものには興味のない家族とは別れての単独行動だったが。そのとき、黒住教の本部で購入した本。 僕は大井川歩きの経験から…

彼女はどうして神になったか?

天理教の教祖中山みきが神がかりをしたのが41歳、大本教の出口なおにいたっては55歳のときである。二人とも、その時までは、農家の嫁や母親として、あらゆる苦難に耐えて、辛抱強く家族の暮らしを支えていた。 何十年という時間の重さは、半端ではない。僕も…

金光教の教会にて

先日金光教の本部に立ち寄った時、うらぶれた門前町の様子に好感を持った。酒屋さんで神酒の小瓶を買ったのは、友人との話のタネにでもなればいいと思ったからだ。ところがふと思い立って、地元の教会を訪ねてみることにした。教会は自宅から一キロばかりの…

聖地巡礼(黒住・金光編)

黒住教の本部は、岡山市郊外にある。桃太郎で有名な吉備津神社に近い小高い山の上だ。中腹の駐車場に車をおいて、教団の施設の脇の石段を登っていくと、深い森の中に大きな神殿があった。多くの信者が集えるように内部は広く、縁と軒が大きく四方に張り出し…