大井川通信

大井川あたりの事ども

鳥たち

ホトトギスの初音

5月26日の早朝、ようやく今年初めてのホトトギスを聞いた。遠くから、ホッケッキョキョの繰り返しが小さく耳にとどく。その翌日の夕方も庭でホトトギスを聞く。 気になったので、この10年ばかりのホトトギスの初音の記録をざっとまとめてみる。ノートをひっ…

カラスの攻撃(続き)

翌朝、同じところを通ると、野原のさきで相変わらずカラスがしゃがみこんでいる。芝生の養生のために立入禁止のロープが張られている場所なので、とりあえず人は近づけない。同僚に昨日の武勇伝を話すと、さっそく見に行って、報告してくれた。 二羽のカラス…

カラスの攻撃

仕事の帰り、都市公園の出口あたりを歩いていると、すぐ近くの茂みでカラスがうずくまっている。少し近づいてみるが、どこかケガしているのか遠くまで飛ぶことができない。心配してみていると、近くの低い電線に数羽のカラスが集まってきて、ガアガアと激し…

イソヒヨドリの送迎

7年ぶりに、駅まで歩くJRでの通勤となった。それだけでなく定年で、働く環境もだいぶ変わっている。環境の激変の中で、昔の仲間からのあたたかい声かけは何よりもうれしい。駅に通じる道沿いのビルから聞こえるイソヒヨドリの鳴き声もそうだ。 「停車場線」…

つばめが来る日

3月13日に、近所の旧街道の商店街で車を走らせていると、くるりと糸をひく鳥の影があって、あっ、つばめだ、と思った。ツバメの来た日は、日記などにメモしておくこともあり、たいてい3月の中旬の今頃である。 僕はまんぜんと季節のあれこれを迎え、また…

チョウゲンボウについていく

大井の枯れ田の中を歩いていると、街道沿いの電柱のてっぺんに見慣れない鳥がとまっているのが目についた。シルエットはタカなのだが、トンビほどは大きくない。以前、このあたりでノスリを見かけたが、そんなに立派な体格でもない。 双眼鏡で確認すると、身…

クロツラなのか、ヘラサギなのか

昨日みたサギのことが気になって、大井ダムをのぞきにいく。今日は双眼鏡を持って。 一羽が、浅瀬に突っ込んだくちばしを左右に振ってエサを探している。そこから離れた反対側の岸の近くに、寄り添って立つサギの群れを見つける。しかし様子がなんか変だ。近…

大井ダムの鳥たち

クロスミ様の初詣の帰り、大井ダムの脇の道を歩く。水かさは少なくて、湿地のような部分も見えるが、さすがにため池よりはずっと広い。遠くにカモの群れが見えるが、相変わらず水鳥にはそれほど興味がなく、双眼鏡で確認する気になれない。 シラサギが二羽ほ…

カワウは70キロで飛ぶ

田んぼが広がる道を走っている時、すぐ横を首を伸ばして早く飛ぶ鳥が目についた。車で並走するのは、サギやトビが多い。スピードは50キロくらいだ。彼らはゆったりと飛ぶ。これは力強く早く飛ぶ水鳥の仲間だろう。 カモかと思って顔を見ると、真っ黒な身体だ…

カラスのお葬式

以前は農村や峠の道で自動車にひかれた動物は、圧倒的にタヌキとイタチが多かった気がする。近ごろは、コロナ禍に自然の歯車も狂わされているのか、今までみたこともない生き物の轢死体を見かけるようになった。 いくらか前になるが、大きなイノシシが、歩道…

カイツブリの決意

僕が入院中、ババウラ池では、カイツブリのヒナが3羽無事に育ち、退院後の新生活に気をとられているうちに、3羽とも巣立っていったようだ。 天候と人間の都合で水位が下がったり、水が抜かれてしまうようなため池の不安定な環境だから、ヒナが卵からかえり…

五月雨に鳰の浮巣を見に行む

芭蕉にこんな句があることを、ごく最近知った。鳰(にお)とは、カイツブリのこと。芭蕉の時代にすでに、カイツブリの浮巣(うきす)をみたり、卵がかえってからのヒナの成長を楽しんだりする習慣があったのだろう。 病院から久しぶりに家に戻って、家の回り…

ヨシキリの舌にも春のひかり

職場の昼休み、久しぶりに河原に出ると、草原一面から何か騒然とした声が聞こえる。ギョギョ、ギョギョ、ギッ、ギッ、ギッ、チッ、チッ、ギョギョシ、ギョギョシ、というふうに、あちこちから色んな声で呼びかけられている感じなのだ。 カエルか虫かもしれな…

『めぐり めぐる』 ジーニー・ベイカー 2021

原作は2016年の作品で、イギリス出身オーストラリア在住の絵本作家によるもの。コラージュの技法を得意としているらしく、透明感のある広々とした画面に自然や生き物の姿が生き生きと写し取られている。 主人公は、オオソリハシシギという渡り鳥。繁殖地のア…

河川敷の空中戦

冷たい寒波の風が吹くこの時期は、河川敷の散歩は気がすすまない。昼休みに銀行まで歩く用があるので、久しぶりに河原の沈下橋などを歩いていると、いいことがあった。下流から、しなやかな翼を広げた白っぽいタカが飛んでくる。ミサゴだ。それも二羽。 前に…

冬晴れの鳥たち

年末から年始にかけてのしつこい風邪と、年明けの寒波や大雪の影響で家に閉じこもりがちとなり、大井の周辺をゆっくり歩くのは、一月も終わりになってしまった。さいわい冬晴れで日差しの暖かな午後だ。 住宅街を下りていくと、さっそく林の暗がりにアオジの…

里山の王者ノスリ

今回、津屋崎まで歩いて、うれしいことはたくさんあった。モチヤマの人から話が聞けたこと。山道がまだ通じていたこと。対馬見山に登れたこと。富士白玉神社を再訪できたこと。しかし、最大の喜びと驚きは、山道を下って、モチヤマの明るい棚田に戻ってきた…

ツグミとシロハラと

大井川歩きの途中で、公園の日当たりのいいベンチに座ってみる。この公園では、子どもが小さかった頃、いっしょにサッカーボールをけって遊んだりしたことがあったのを思い出す。 夕日を浴びて、しばらく本を読むことができた。読書家のふりをしているが、実…

モズのはやにえ(続報)

念願のモズのはやにえを見つけて、僕のことだから周囲の人に話しまくった。それは一方的な自慢に過ぎなかったけれども、それでも人に話すのは、双方向的なコミュニケーションのきっかけになる。いくつかの発見があった。 当然ながら、モズのはやにえを誰もが…

ハシビロガモの勤勉

冬を迎えて、近所のため池や川にいろいろなカモが姿を見せるようになると、今年こそカモ類も見分けられるようになりたいと、一時は考える。水辺で無防備に特徴のある姿をさらしている水鳥の種類がわからなくては、バードウォッチャーを名乗るのが恥ずかしい…

どうしたらミヤマガラスの凄さが人に伝わるだろうか

同僚と職場を出たら、裏山から街にかけて、ミヤマガラスの大群が飛び回っている。ねぐらに向うカラスかとも思ったが、群れの数と密度、何よりうねるように仲間と飛ぶ姿が際立っている。 まちがいない、ミヤマガラスだ。今シーズン彼らの姿を見るのは二度目で…

ついにモズの早贄(はやにえ)を見つけました

子どもの頃から、モズは身近で好きな鳥だった。大柄なスズメのようなキュートなルックスで、タカのように狩りをするというのも魅力だった。 モズといえば、獲物を枝先などの刺しておくという早贄(はやにえ)が有名なのだが、僕はこれまで毎年モズを観察しな…

釣川浄土(鳥編)

岸由二さんの「流域思考」に共感しながら、大井川歩きは、気の向くままに近所を歩き回るばかりで、大井川の流れをさほど意識したものではなかった。本筋で言えば、大井川が流れ込む釣川(つりかわ)の方へと関心が向かないといけない。 ということで、今朝は…

百舌鳥のゆえん

大井川歩きをしようとして、玄関を出て一歩目のまだ玄関ポーチにいるときに、足が釘付けになった。一歩外に出ると、そこがフィールドだというのが、大井川歩きのよいところだ。自画自賛だが。 隣家の屋根のテレビアンテナの上でモズが鳴いている。ケッ、ケッ…

カイツブリの秋の子育て(・・・)

仕事の帰りに車を停めてみると、ババウラ池の水の大半をなくなり、底に大きな水たまりのように残っているだけだ。どうやら底の栓をあけて一気に水抜きしてしまったようだ。 水たまりにカイツブリの親鳥はいない。おそらく水が無くなって生活できないレベルに…

カイツブリの秋の子育て(つづき)

ババウラ池の水はまたこころもち減っているようだ。しかし、一気に抜かれているわけではなさそうなのが救いではある。 夕方池をのぞくと、またしても意外なことが。親は一羽だけ。しかし小さな粒みたいに見えるヒナが、なんと二羽いるのだ。二羽とももう親の…

カイツブリの秋の子育て

ゴミ屋敷みたいな無防備な浮巣でのカイツブリの抱卵は続いた。あいかわらず、親は一羽しか見当たらない。すると、ため池の水かさが少し減ってきたことに気づいた。浮巣は枯れ枝にくくりつけて流されないようにしているから、水面が大きく下がると持ち上がっ…

カイツブリのゴミ屋敷

今年もババウラ池では、夏前にカイツブリのヒナを見つけることができた。例年とちがって水抜きもなく安心していると、ヒナも巣立った池に、親が一羽残っているのに気づいた。 道との境の灌木が切られてしまったために、丸見えの場所に浮き巣があるのだが、材…

カラスの羽づくろい

通勤途中のコンビニで、車を停めて昼食のサラダを買う。コンビニに近づいたとき、街道のわきに広がる田んぼの電線に止まった二羽のカラスが目に入った。 過去にも、別の場所で、いやに仲良く寄り添うように並んでいるカラスを見たことは何度かあって、ほほえ…

フクロウの顔

津屋崎玉乃井に出向くと、安部さんの従兄の人がいて、安部さんの容体がよくないという。暗然として家に戻る。安部さんの大学時代の同人誌仲間の宮田さんに電話を入れる。 夕方、ヒメハルゼミの鳴き声を聞くために、大井の集落へ下りる。鎮守の杜では、目当て…