大井川通信

大井川あたりの事ども

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

動画で時間を溶かす

時期的に仕事がそれなりに忙しいので、家に帰ってからは、テレビ受像機で動画を見て、ボケーッと時間を過ごしている。午後6時前には帰宅できるという(若い頃からみたら)夢のような勤務なのだが、そこそこ疲れてしまい、夜の5時間くらいがあっというまに…

カラスと遊ぶ

カラスが何羽か集まっている木に近づいても、逃げようとしないカラスがいる。カンタロウかと思ったが、どうみても小柄で、おでこのでっぱりもないハシボソガラスだ。毛並み(?)も黒々として立派なカンタロウと比べると、どこか貧相だ。 それにしても人懐こ…

映画『杜人(もりびと)』を観る

老人ホームひさのの田中好さんから誘われて、田中さんの地元の公民館の上映会に出かけた。余裕をもって出かけたつもりだったけれど、公民館の駐車場は満車の盛況で、吉田あつこさん(大井のひろちゃんの娘さん)と村瀨孝生さんの息子さんが駐車場整理をして…

時間が溶ける

職場の若い人とアニメの話をしていたら、「時間が溶ける」と聞きなじみのない言い方をしていて、面白いなと思った。調べると、かなり近年の若者言葉で、ゲームなどに夢中になって時間があっという間に過ぎてしまう感覚をいうらしい。 僕も近頃、通勤電車の中…

「牧のうどん」で尻もちをつく

金曜の夜に残業をして帰ったら、土曜日の朝、いつものように目覚めて起きだすことができない。休日の朝7時からカフェやファミレスに行って、モーニングを食べながらのんびり本を読むのが唯一の楽しみなのだが、とてもその気持ちになれそうもない。 結局、一…

通勤電車の読書

通勤が自家用車の時は、本が読めないから、電車通勤がうらやましかった。音楽を聞いたり、英語の学習をしたりできるが、運転中の疲労と事故のリスクを考えたら、とても割の合うものではない。 電車通勤に戻って、往復で1日1時間は読書の時間にさけるように…

カンタロウ再考

この間の二度の邂逅のあと、またカンタロウの姿を見なくなった。相変わらず、東公園ではカラスの数自体だいぶ減っているような気がする。 実は、あの二度の邂逅の解釈について、自分でも少し気になっている部分があった。一つは、カラスが木の枝をおって落と…

『文庫の読書』 荒川洋治 2023

僕にとって、荒川洋治(1949-)の名前は特別だ。学生時代に、現役の若手の詩人の中で、圧倒的な言葉の力を感じさせられた存在だからだ。いろいろ読みかじってはみたが、処女詩集『娼婦論』(1971)の早熟の天才ぶりには、言葉を失うしかなかった。この原体…

『ふるさとの生活』 宮本常一 1950 

あらためて名著『失われた日本人』を読んでみたら、とてもよかったので、手持ちの宮本常一の本から、読みやすそうな本を手に取った。もともと関心があったためか、書棚の奥に積読本が何冊もあることに驚いた。 戦後すぐに子どもむけに書かれているが、戦後新…

『仏教と事的世界観』 廣松渉+吉田宏哲 1979

廣松渉の忌日に、今年は、この薄い対談集を手に取った。朝日出版社の派手な装丁のエピステーメー叢書の一冊で、1980年前後の時代がしのばれる。 たまにページをめくることがあっても、読み通したことはなかった。若い頃に比べれば、仏教や宗教へ関心をもって…

玄関ポストを修繕する

小学校の頃、親に毎日つけさせられていた日記の中で、「ぼくは技師になりたい」と書いていたのが記憶に残っている。技師という言葉は工場勤務だった父親の影響だろうが、僕はそもそも工作が得意だったのだ。小学校の教科図画工作も嫌いではなく、成績もよか…

パソコンを購入する

かねてから情報弱者を抜け出したい、という思いがあるが、なかなかうまくいかない。今年に入って、スマホを最新のアイフォンにかえたが、結局今まで通りの使い方しかしていない。必要があってラインだけは入れたが、全然活用していない。 おそらく原因はここ…

影につかまれる

通勤の途中、駅前のスクランブル交差点を歩いているとき、いきなり、背後から抱き着かれて、左の二の腕をつかまれたような気がして、ぞっとした。 その瞬間、僕の右側をかすめて自転車が追い越していったのだが、その自転車本体の気配に驚いたわけではない。…

『ダロウェイ夫人』 ヴァージニア・ウルフ 1925

一昨年、読書会でヴァージニア・ウルフ(1882-1941)の『オーランドー』を読んで面白いと思った。その時買って積読になっていたこの文庫本を今頃になって手に取ったのは、知人の英文学者高野さんが今ウルフをまとめて読んでいると聞いたからだ。 読み始める…

カンタロウさん一家

昼休み、東公園の中を歩いても、ほとんどカラスの気配はない。昨日のカンタロウとの出会いは幻だったのか。 そう思いつつ、仕事帰り、昨日カンタロウが現れた公園の入り口近くにさしかかる。当然ながら、偶然の出会いはそうそうあるわけではなかったが、念の…

カンタロウと再会する

外田さんから、カラスのカンタロウのことを尋ねられた。カンタロウにはしばらく会っていない。吹雪の中で鳴きまね合戦をしたのが、カンタロウとのクライマックスだったような気がする。 5月に入っていくつか大変だったことのメドがついて、少し気持ちに余裕…

小倉でB級グルメする

安部さんの文集の件で、仕事を早く切り上げて、小倉に外田さんに会いに行く。早く着いたので、京町まで歩いて、娘娘に昼食を食べに行く。肉焼き飯を注文。いい年をして、こんなカロリーの高そうなものを昼間から食べていいのかなと思うが、他に食べたいもの…

『ギタンジャリ』 タゴール詩集 1912

インドの詩人タゴール(1861-1941)の英語版詩集の翻訳(風媒社刊)を読書会で読む。タゴール自身が平明な英語に訳したものなので、とても読みやすかった。 ただ、時代も文化も違い、なかなか詩として面白いものが見つからず、どうなることかと思ったが、最…

積読街のビル看板

このブログでは、「積読」という用語の登場頻度が多い。あまり一般的な言葉ではないだろうから、多少後ろめたく思ってはいるのだが、買った本をすぐに読むことがまれな僕のふるまいを、これ以上便利に表現する言葉はないのだ。 そんな僕には、ねがったりかな…

法学部・経済学部・商学部

宮本常一の名著『忘れられた日本人』の中に、とある「世間師」(奔放な旅を経験しているお年寄)の印象的なエピソードが記されている。彼は名を左近熊太といい、現在の河内長野市の滝畑の出身。明治になって22歳の時に西南戦争(1877)で徴兵されるまで、字…

「思想家の散歩区域」 萩原朔太郎『虚妄の正義』(1929)より

我々の思考にして、漸く経験的なものを離れ、純粋に抽象的なものに深入りをしてくるならば、その時、先ず我々は一通りの学者である。しかしながら学者である。もはや思想家ーその言語の響に於ける、人間的な意味を考えて見よーではない。我々にして学者でな…

こんな夢をみた(村の賢人の新展開)

村の賢人原田さんが、またまた驚くような新展開をみせた。「哲学入門」というタイトルの本を出版したのだ。中身を見ると、森林の木を伐採したらどうなるか、というような具体的な問題に対して、子どもたちに賛否両論を議論させたうえで、賢人の考えを述べる…

『「現金給付」の経済学』 井上智洋 2021

何か月も読みかけのまま手元に置いていたが、ようやく読了。世の中が不景気で先が見えなくなると、経済の議論がさかんになる。もう30年前以上になるが、冷戦終結とバブル崩壊の時がそうだった。ちょうど公務員試験の勉強で、経済の科目を一通り勉強したばか…

5類感染症移行!

今日で、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行となった。3月13日のマスク着用の見直し時も、多少の感慨があったが、今回は騒動の終息にむけての一つの区切りだから感慨もひとしおだ。 コロナ禍の本質だとか、様々な対策の巧拙、今回の措置の是非は問…

こんな夢をみた(忍軍)

僕は、忍者の一味だった。一味の首領は、女忍者で、仲間の中には裏切り者も交っているようだった。ただ、僕の忍びの技術は高く、もし攻撃されたとしてもそれを破るのはわけはないと思っていた。 ある時、女首領と僕、そして若い女忍者と三人が何者かに追われ…

結婚式乾杯挨拶

※以前の職場の若い二人の結婚式に招待され、乾杯挨拶を頼まれた。若年層が減り、結婚が減ったうえに式を挙げないケースも増えたから、結婚式に呼ばれる機会はめったにない。それでもスピーチの経験は何回かあるから、場の雰囲気はわかる。乾杯なら、スピーチ…

『ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読』 今村仁司 2000

岩波現代文庫で出版された当時にすぐに読んだようで、読了日に添えて一言「よかった」とメモしている。今回23年ぶりに再読して、「さらにとてもよかった」と書き添えた。 薄めの文庫だが、第1部は「方法について」と題して、ベンヤミンの思考の方法について…

『競馬放浪記』 寺山修司 1989

今日は寺山修司(1935-1983)の亡くなった日だから、寺山の競馬の本を読む。寺山の忌日を意識したのは初めて。1983年の5月と言えば、よく覚えている。僕が大学4年生になって東経大の今村ゼミに通い出し、就職活動の足音が聞こえだしてきたころだ。テレビの…

安部さんの文集の準備をする

ゴールデンウイークはカレンダーどおりだが、長男が帰宅したり、知人の結婚式に出たりする以外特別なイベントもないから、時間はたっぷりある。カフェやファミレスにできるだけ長くいて勤勉な時間を確保するだけでなく、自室も整理して、自宅でも作業しやす…

次男の子育て(退職願)

3月の終わりごろからまた次男の仕事の愚痴が多くなった。それだけでなく、睡眠不足だったり、吐き気がしたりしているという。 昨年八月に地元の職場に転勤したときにも、辞めたいという意思表示が強かったが、それは新しい環境への一種の拒絶反応であって、…